JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は7月29日、マルウェア「Emotet」の感染拡大を狙ったメールによる攻撃が再び活発化しているとして、企業などに警戒を呼び掛けた。17日頃から攻撃メールが拡散し始めている。
Emotetの感染を狙う攻撃は、2019年10月頃から断続的に発生している。2020年は1月頃に新型コロナウイルス感染症に便乗するなどの内容を使ったメールが出回ったものの、2月以降は目立った攻撃が観測されていなかったという。
JPCERT/CCによれば、新たな攻撃は7月17日頃に開始されたと見られ、28日には、過去にEmotetに感染して窃取された情報が悪用されたと見られるEmotetの感染につながる攻撃メールが確認された。
手口としては、以前から知られている実在する組織や人物になりすましたり、あるいは新型コロナウイルス感染症など社会の話題に便乗したりする内容のメールを送り付け、不正なマクロを埋め込んだ添付ファイルやメール内のリンクからEmotetの感染につながる不正プログラムをダウンロードさせようとする。
JPCERT/CCは、こうした攻撃メールを受信するだけでなく、下記のような状況から意図せず攻撃の踏み台にされてしまうケースもあると指摘し、メールサーバーの認証ログを確認するなど、セキュリティ機関が提供する情報(JPCERT/CCの情報)などをもとに対応してほしいとしている。
- 過去に感染していた端末が使用するメールアドレスやその取引先などに対して、Emotetのメールが配信された
- 過去に感染していた端末からSMTP認証情報などが窃取され、自社のメールサーバーがEmotetのメール配信に悪用された