AWSのクラウドインテグレーションを始めたIIJの狙いとは

松岡功

2020-07-22 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、インターネットイニシアティブが提供する「IIJクラウドインテグレーションソリューションfor AWS」を取り上げる。

AWSを活用したシステムの設計、構築、移行、運用作業をメニュー化

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は先頃、「Amazon Web Services(AWS)」を活用したシステムの導入計画支援から設計、構築、移行、運用までを統合的に行うサービス「IIJクラウドインテグレーションソリューション for AWS」の提供を開始すると発表した。

 IIJクラウドインテグレーションソリューション for AWSは、AWSを活用したシステムの設計、構築、移行、運用作業をメニュー化したソリューションである。ワンストップでの提供のほか、「導入計画支援」「インテグレーション」「移行作業」「運用管理」の各種メニューを個別に選ぶこともできる。(図1

 導入計画支援メニューでは、事前検証(PoC)の実施から構築、移行計画の立案、運用計画を支援。導入効果を最大化するため、「AWS Well-Architectedフレームワーク」を活用し、ベストプラクティスに沿ってシステム構成と導入計画を立案する。価格は1プロジェクト30万円から。

 インテグレーションメニューでは、IIJがこれまでクラウド基盤でのシステム導入やSI事業で培った知見をもとに、IIJの閉域ネットワークサービスや運用管理サービスなど各種サービスを組み合わせて、顧客に最適なAWSシステムを構築。また、クラウド利用のガバナンス実現のためにAWSのマネージドサービス(AWS CloudTrail、Amazon GuardDuty)を標準で設定して提供する。ウェブシステム一式構築の場合の参考価格は、開発、本番環境のウェブサーバ、データベース、ロードバランサー構築および監視設定する場合で58万円から。

 移行作業メニューでは、オンプレミス環境からAWSへのシステム移行を支援し、移行計画立案から手順作成、移行作業の実施までを行う。AWSの移行ツール「CloudEndure Migration」を活用して実施する「ベーシックプラン」と、移行全体の管理をしながら状況にあった移行方法を選択し、高度な移行作業を実施する「エンタープライズプラン」の2つのプランから選択できる。さらに、クラウドリソースの見直しやコスト最適化など、移行後のフォローを行う「アフターケアパック」も用意している。価格は1プロジェクト98万円から。

 運用管理メニューでは、AWSの監視ツール「Amazon CloudWatch」など各種AWSサービスのマネジメントガバナンス設定、セキュリティ設定を代行する。 また、「IIJ統合運用管理サービスAWSクラウドポータル」と組み合わせることで、バックアップジョブの自動化や構成管理が行える。なお、IIJ統合運用管理サービスでは、オンプレミスや他社クラウドの統合管理をサポートしており、他システムを含めた運用を一元化することができる。価格は12万5000円から。

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