調査

コロナ禍でソフトウェアチームの優先順位はどう変わったか

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-11-03 08:30

 新型コロナウイルスの危機は、多くの問題を引き起こし、企業に大混乱をもたらした。しかしソフトウェア開発部門は、コロナ禍の影響を受けて、事業部門のニーズに応えることに持てる力を集中し、できる限り早くデリバリーするようになっている。多くのソフトウェア開発部門は、この数カ月間で、デジタルトランスフォーメーション(DX)、DevOps、自動化に重点を置き、「非接触型」の企業を支えることに仕事の中心をシフトさせている。

 これは、Accelerated Strategies Group(ASG)が、CloudBeesの依頼を受けて、8~9月に米国、カナダ、メキシコ、欧州、中東、アフリカ(EMEA)、インド、南米など23カ国のソフトウェアのプロフェッショナルやマネージャー347人を対象に実施した調査の結果だ。回答者の過半数(63%)は、DXに関する目的の優先順位が「大幅に」あるいは「多少」上昇したと述べている。また、ビジネスの自動化(62%)や非接触サービスの構築に対する投資の必要性(60%)などの優先順位も、「大幅に」あるいは「多少」上昇している。

 新型コロナウイルスの危機によって、優先順位が高まった項目はほかにもある。回答者の52%はDevOpsの取り組みを強化しており、また別の52%はクラウドサービスプロバイダー(「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」)への移行を早めたと回答した。Accelerated Strategies Groupの最高経営責任者(CEO)であり、レポートの共著者でもあるMitch Ashley氏は、「通常なら1、2年かけても起こるはずがないことが、数カ月で起こった」と述べている。「その後、非接触デリバリー(contactless delivery)などの、6~9カ月前には聞いたことさえないようなトレンドが登場した」とAshley氏は言う。

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提供:Joe McKendrick

 また、企業のDevOpsとアジャイルの導入率が上がっていることも注目に値する。回答者の46%が部門横断的なチームを採用しており、56%が毎日スタンドアップミーティングを開き、43%がタスクの自動化を行っていた。

 ASGの調査で、コロナ禍がソフトウェア開発部門の生産性にも影響を与えたことが分かった。ただし、プラスの方向でだ。回答者の過半数(59%)は、ソフトウェア開発部門が新型コロナ以前よりも「大幅に」または「多少」生産性が高くなったと答えている。さらに回答者の43%は、仕事のタスクを適切なタイミングで完了することが多少簡単になったと述べている。

 一方で、生産性の低下につながる、注意を散漫にする要因を管理する能力に関する回答は、プラスとマイナスが入り交じったものだった。40%は注意を散漫にする要因の管理は「多少」あるいは「大幅に」簡単になったと答えた一方で、36%は「多少」あるいは「大幅に」難しくなったと述べており、23%は変化はなかったと回答した。全体として言えば、今回の調査結果は、ソフトウェア開発部門が製品管理部門、プロジェクト管理部門、運用部門、セキュリティ部門と従来よりも密接に連携を取るようになっていることを示している。

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