過去1年間の出来事が原因で、ノートPCの売り上げが急増し、長い間見られなかったような成長をもたらした。アナリストによれば、そうした成長は2020年ほどの並外れたペースではないにしろ、2021年も続く見通しだという。
調査会社Canalysは、PC市場が2021年に1.4%成長すると予測しているが、2020〜2024年の年平均成長率はわずか0.2%にとどまる見通しだ。PCは、スマートフォンの販売が急増したこの10年間、成長が困難だと認識されていた。新型コロナウイルスの流行が、ハードウェアに対する支出のあり方を変えたのは、人々が在宅勤務を強いられ、単に通勤中にネット接続するだけでなく、仕事に使えるきちんとしたデバイスが必要だと考えるようになったからだ。
Appleは、Intelチップと同等以上のスピードや、より長いバッテリー持続時間を実現できるとされている、Armベースの「M」シリーズへの移行を進めている。
Adobeは米国時間12月22日、Appleの新チップ「M1」を搭載した「Mac」向けに、「Adobe Premiere Pro」「Adobe Premiere Rush」「Adobe Audition」のベータ版を発表した。また、Microsoftも「Word」や「Excel」など、M1チップでネイティブに動作する「Microsoft 365 for Mac」アプリをいくつかリリースした。
Canalysのアナリストは2021年以降、PC市場の成長をけん引する4つの主要トレンドとして、リモートワーク、デジタル学習、サービスとしてのデバイス、そして「新興のユースケース」というカテゴリーを挙げている。
Canalysのリサーチディレクターを務めるRushabh Doshi氏は、「新型コロナワクチンの接種が始まり、ポストコロナの世界に入ると、企業と消費者の行動の変化によって、PC使用が以前に増して重視されるようになり、ハードウェアはもちろん、ソフトウェアやサービスで多くの新たな機会が生まれるだろう」と述べた。
民間部門と公共部門の組織が、リモートワークと柔軟な勤務体制に関する方針を正式に導入しつつあるため、2021年もセキュリティと接続性は重視されるだろう。例えば、MicrosoftはIntelなどのパートナーと連携し、Windows PC用のセキュリティプロセッサー「Microsoft Pluton」を発表している。
「将来のソリューションでは、より強力なセキュリティ基準を備えたPCが不可欠となり、特に金融サービスや公共部門などの業界で、ベンダーやチャネルパートナーが期待するようになるだろう」(Doshi氏)
Canalysが、今後数年間に成長すると予測している主なカテゴリーは、ノートPCとタブレットだ。2021年のノートPCの出荷台数を2億4900万台と予測している。また、2019〜2020年にノートPCの出荷は平均27.9%成長する見通しだという。タブレットの出荷台数は、同期間中に約26.5%の成長を見込んでいる。
デスクトップの出荷台数は2019〜2020年にかけて前年比で23.1%減少する見通しだ。しかしCanalysは、2020〜2024年に年平均2.4%増加すると見込んでいる。
IDCが12月16日に発表した調査結果によると、2020年第3四半期のPCの出荷台数は1億3040万台で、前年同期比19.7%増加した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。