2021年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
DataRobot Japan CEO 柴田暁氏
2021年の年頭に当たり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。平素よりDataRobotをご愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。
2020年は流行としてのAI(人工知能)ではなく、AIの本質が求められた結果、その価値が改めて強く認識された1年となりました。DataRobotにおいても画像・位置情報データなどの「マルチモーダルAI」に対応したプロダクトのリリースや、AIをビジネス現場で実運用化するために必要となる「MLOps」に関する製品アップデートに注目が集まりました。また、これらの価値提供をより強力に実現するためパートナー企業やお客さまとの戦略的資本業務提携に合意するなど、日本市場において大きな飛躍を遂げました。
グローバルにおいても、Altimeter Capital主導で3億2000万ドルの資金調達を達成するなど、劇的な変化に直面しながらも力強く前進した1年となりました。
これもひとえにお客さまやパートナー企業をはじめ、皆さまからの格別のご支援とお引き立てを賜ることができた結果であると考えております。改めて、深く感謝の意を表明します。
2021年、私たちが目指す「企業のAI-Driven化」
2020年は、人類がこれまでに経験したことのない劇的な変化の時代に突入しました。ビジネスを取り巻く環境が大きく変化したため、企業はこれまでのビジネスモデルやノウハウに頼ることができなくなり、データ/AI活用などの新たなデジタル技術の導入とこれまで技術導入が進んでいない領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が、大きな潮流として浮き彫りになってきました。
多くの企業に共通するDXを実現するための重要な要素は、自社および個々における技術活用・推進能力の獲得です。これまで、日本企業におけるIT活用は外部企業への委託・外注が主戦略となってきましたが、変化に対応するためのデジタル技術の活用においては自律性が鍵を握ります。その中核にあるデータ/AI関連技術に関しては、数年前から経営者レベルの問題として一部議論がなされてきましたが、2020年からは社内のあらゆる人材におけるAIリテラシー教育や、プログラミングなどの高度な技術力がなくても、自社の既存人材が新技術を活用できるノーコード開発の重要性がますます高まっています。
DataRobotでは創立当初からAI技術の民主化を掲げ、データサイエンティストなどの専門人材が不在でも自社のデータを使ったAIの構築を行うことができるプラットフォームを提供してきました。日本はグローバルマーケットの中でも、特にAI活用の技術導入に対する意欲が高く、多くのお客さまが利益インパクトを創出し始めています。また、先端的なお客さまにおいては、このようなインパクトを局部的にとどめるのではなく、全社に展開していくためのAI-Driven組織の構築に取り組み始めており、弊社からも豊富なノウハウを提供し支援しています。
2021年、経営者にとって喫緊の課題は、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)において中核的な役割となるデータ/AIの利用・活用をどのように推進していけばよいのか、これまで以上に明確なビジョンを持つことではないでしょうか。自律的にデータ/AIを使った課題解決・業務改革を行うAI-Driven経営に舵を切っていくことで、持続的な成長力と競合優位を獲得している日本企業の実例を、私たちは既に数多く目撃しています。より多くの日本のお客さまとともにその道を歩むことで、日本は世界でも突出したAI活用の最先端になると確信しています。
お客さまへ最高のサービスを提供する国内ビジネスの環境
私たちは、これまでAIが持つ変革の力を誰もが簡単に手に入れ、データから迅速に価値を創出できる世界を目指し、高度なAIモデルの構築、デプロイ、メンテナンスから運用管理までのプロセス全体を自動化するエンタープライズAIプラットフォーム「DataRobot」と、AIネイティブな戦略的サクセスチームによる全社的なAI-Driven組織の実現を達成するための支援プログラム「AIサクセスプログラム」を提供してきました。2021年は、これまで以上に既存のお客さまの支援を強化するとともに、より多くの新たなお客さまに支援を提供できるよう30を超えるポジションで採用を加速させ、日本オフィスを大きく拡大する予定です。
DataRobotでは、2021年を日本社会のさらなる成長の年とするため、全ての企業にAIの価値を提供し、お客さまのAIサクセスの実現・企業のAI-Driven化を加速させるべく、引き続き邁進してまいります。