AOKIホールディングスが設立したダブルエー少額短期保険(ダブルエー少短)は、日立システムズの「Finnova保険・共済トータルサポートシステム」を保険業務システムとして採用した。日立システムズが発表した。
少額短期保険とは、保険業法上の保険業のうち一定事業規模の範囲内において少額/短期の保険の引き受けのみを行う事業。従来の保険会社では対応が難しかったニッチなリスクに対応した商品開発や、少額/短期間という特徴を生かした細かい対応が評価されており、保険会社以外にもさまざまな事業者が積極的に新規参入しているという。
この分野に参入した企業は、他社との差別化や顧客の潜在ニーズを掘り起こすために、独自のビジネスモデルを構築する傾向にあり、各社の細かい要望に合わせてオーダーメイドでシステム開発することになり、システム開発規模や開発期間が増大してしまうケースが多い。
そのため、ダブルエー少短でも少額短期保険事業に不可欠な保険システムの開発に当たり、コスト、開発期間、品質が主な課題だった。
Finnova保険・共済トータルサポートシステムの概要(出典:日立システムズ)
Finnova 保険・共済トータルサポートシステムは、少額短期保険業界において約10年間にわたり、保険基幹システムの開発/運用/保守を一貫して提供してきた。そこで得た経験やノウハウを集結して構築した保険基幹システムを提供しており、少額短期保険の契約数シェアは約35%だという。
日立システムズは、ダブルエー少短の基幹システムの運用/保守を支えていくほか、新商品や新サービス開発の際には、パッケージシステムの特徴であるテンプレートを活用したシステム変更や開発でコストやスピード面でも貢献していく。日立システムズでは同システムを積極的に提案し、2024年度までに売り上げ10億円を目指す。
ダブルエー少短も、同システムは業務マニュアルや帳票のひな型が整っているとともに、システムエンジニアメンバーが少額短期保険の業務に精通していたと評価している。また、サンプルの提示や事例も連携されており、社内の意思決定をスムーズに行うことができ、開発スケジュールも予定通り進行できたとしている。