三菱ケミカルシステム、1日20万件以上のJP1のジョブの予兆検知を実現

NO BUDGET

2021-02-05 13:09

 三菱ケミカルシステムは、三菱ケミカルホールディングスグループ全体のジョブ運用状況の可視化と分析を行う基盤として、アシストが提供する「千里眼SaaS」を導入した。

 三菱ケミカルホールディングスグループでは、ジョブ管理をシステム運用管理ツール「JP1」で統一し共通基盤化しており、JP1の運用は三菱ケミカルシステムの専門チームが一手に引き受け運用を行っている。国内外で500社以上のグループ企業、約7万人の従業員を抱える巨大企業グループの1日の実行ジョブ数は20万を超えるという。

 千里眼SaaSは、クラウド上に構築したセルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「Qlik Sense」をエンジンに採用し、JP1に蓄積されたシステム運用時に発生するさまざまなログやイベント情報を分析することで、現在の運用状況を瞬時に可視化・分析できるサービス。

インフラ部門とアプリ開発部門のコラボレーションイメージ
インフラ部門とアプリ開発部門のコラボレーションイメージ
千里眼SaaSによるJP1のジョブ運用予実績分析サンプルレポート
千里眼SaaSによるJP1のジョブ運用予実績分析サンプルレポート

 三菱ケミカルシステムは、JP1のジョブ管理ツールを標準的に利用するために状況を可視化し、効率良く管理する手段を求めていた。またJP1の仕様や制限を超えた利用の確認など、ジョブ管理基盤としての安定性やリスクを可視化する必要があった。さらにアプリケーション開発部門独自でジョブを分析していたが、工数が膨大で障害対応が後手に回ることがあり改善が求められていた。

 千里眼SaaSの採用により、レポート作成工数がインフラ部門で従来の8割減、アプリケーション開発部門では3分の1になるなど、大きな工数削減につながった。またトラブル予兆検知の仕組みをクラウド上に構築したことで、ジョブ運用状況の迅速な分析が可能となった。分析による予防保守の取り組みで障害発生は減少、障害時の対策立案のスピードも向上した。

 さらにインフラ部門とアプリケーション開発部門が千里眼SaaSのレポート画面を見ながらジョブ運用に関する情報交換や交渉を簡単に行うことが可能になった。例えば、アプリケーションのジョブ実行負荷が高い場合は、インフラ部門からアプリケーションのオーナーへリソース拡張やジョブ実行数の調整などを提案できるようになったという。

 三菱ケミカルシステムでは、アプリケーション開発部門が構築した特定のアプリケーションのジョブ異常時に通報を行う予兆検知の仕組みをインフラ部門と共有し、千里眼SaaSを活用したコラボレーションを強化していく予定だ。

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