トレンドマイクロは4月8日、5G/ローカル5G(第5世代移動体通信システム)環境のセキュリティソリューション「Trend Micro Mobile Network Security(TMMNS)」を発表した。通信事業者やシステムインテグレーター、サービスプロバイダー向けに15日から提供する。富士通との実証実験で有効性も確認したという。
「Trend Micro Mobile Network Security」の構成
TMMNSは、5Gのネットワークに接続する端末機器(エンドポイント)のSIMカードで動作する「TMMNS Endpoint Protection」と、5Gシステムのネットワーク上で動作する「TMMNS Network Protection」から構成される。エンドポイント側では、SIMカードにJavaアプレットを組み込み、機器のIMEIとSIM固有番号のIMSIを照合することで、機器の真正性を確認する。
「TMMNS Endpoint Protection」のSIM
TMMNS Network Protectionでは、通信経路にIDS/IPS(侵入検知/防御システム)とウェブ脅威対策、アプリケーション制御、異常通信検知、デバイス特定、IoT脅威対策、ネットワーク利用制限のセキュリティ機能を配備する。これにより不正な機器やアプリケーション、ウェブサイトの接続や脆弱性の悪用やサービスの妨害(DoS)といった脅威やサイバー攻撃などの監視、可視化、遮断、防御などを行う。
トレンドマイクロと富士通は、神奈川県川崎市にある富士通の施設「FUJITSU コラボレーションラボ」にある私設型5G(ローカル5G)システムと、高精細監視カメラや無人搬送車両などを稼働させるスマートファクトリーを想定したシステムでTMMNSを実証した。
富士通は、IoTデバイスやネットワークのセキュリティ状態の可視化、SIMの差し替えによる不正なIoTデバイスの検知、ネットワークへの通信制御などを検証し、ネットワークに侵入する脅威の検知と防御、SIMの差し替えやマルウェア感染デバイスなどからシステムを保護できることを確認したという。
富士通との検証シナリオの一例
今後は、富士通の小山工場などでも9月まで検証を行い、ローカル5G向けセキュリティソリューションとしての商品化とグローバル展開なども検討していくという。