Amazon Web Services(AWS)は米国時間6月25日、暗号化メッセージングアプリを手がけるWickrを買収したと発表した。買収条件は明らかにされていない。
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Wickrは2012年に創業した。Wickrが提供するエンドツーエンドのメッセージングサービスは、短期間で通信内容を消去するエフェメラルコミュニケーションのパイオニア的なサービスの1つであり、「Signal」の台頭や、「WhatsApp」による独自の暗号化機能の導入よりもずっと前から、メッセージの暗号化と一定期間後の消去機能を提供している。
Wickrはその先進的なセキュリティ機能や、ゼロトラストプラットフォームの設計により、企業や公共部門、政府機関の間で普及している。米国防総省(DoD)も顧客となっている。
AWSの最高情報セキュリティ責任者(CISO)Stephen Schmidt氏は、ブログ記事で、「公共部門の顧客は今日、オフィスに勤務する従業員とのセキュアなコミュニケーションから、戦地に展開している軍関係者への暗号化通信の提供に至るまでの広範な使命を達成するためにWickrを利用している」と説明した。「エンタープライズの顧客はWickrを利用し、規制の要件を順守した状態を維持しながら、従業員とビジネスパートナー間のコミュニケーションで機密性を確保している」
Schmidt氏は、Wickrが提供しているセキュアなコミュニケーション形態に対するニーズがあらゆる分野で加速していると述べた。つまり、AWSは同社のコミュニケーションやコラボレーション、生産性向上といったサービスのポートフォリオを拡充する上で、Wickrに好機を見出している。
Schmidt氏は同日より、AWSの顧客にWickrのサービスを提供するとしている。また、Wickrの新規ユーザーと既存ユーザーは引き続きサービスの利用を継続できるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。