富士通クラウドテクノロジーズと日本リーテックは、伐採木の胸高直径算出と樹種の判定を人工知能(AI)が行い、調書作成までを自動化するアプリケーションの開発を進め、実証実験を開始した。
伐採木は、山岳地で搬入路の設置や鉄塔建設の際に不要となる木。日本リーテックは、電力会社からの依頼を受けて山岳地で搬入路の設置や鉄塔建設などの業務を行っており、これらの木を伐採する際には、地主への補償や樹木の伐採に掛かる費用算定のために、木の胸高直径、樹種、位置情報を記録し、調書を作成している。
従来この調査業務は、年間2万1100本の伐採調査において780時間が必要で、作業者が高齢化しているという背景もあり、作業工数の削減が求められていた。
従来業務とアプリ導入後の比較イメージ
実証では、アプリを起動して撮影すると、木の胸高直径算出と、ディープラーニングによる樹種判定が行われる。位置情報はスマートフォンのGPS機能を活用し、記録している。集めた画像は当社にて開発中のウェブ管理画面上にて必要な画像を選択し、調書作成までの効率化が実現する。
従来は4人で行っていた業務が責任者とアプリ操作者の2人で行えるようになり、調書作成業務も含めると75%の工数を削減できるという。両社は、2022年度から現場展開をする予定という。