小林製薬は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を視野に入れた内製によるシステム開発体制の構築に取り組み、その開発基盤として「OutSystems」を採用した。
同社はDXの実現に向けたデジタル改革に取り組んでいる。既に過去数年にわたって、RPA(ロボティクスロボットオートメーション)やAIといった最新の技術を、業務現場へ積極的に導入し、業務のデジタル化、プロセス効率化の可能性を探ってきた。
これまで、協力会社のエンジニアに常駐してもらい、システムの開発や改善を依頼してきたが、その契約が終了するタイミングでシステム内製化の方針を定めた。OutSystemsを採用することにより、起案からリリースまでに、数カ月から半年がかかっていた従来の開発スパンを改め、より迅速にアプリケーションをリリースしていくようにする。
OutSystemsを選択した理由として、同社では、細かいカスタマイズをしたい場合に、難易度の高いコーディングが必要になるなどの問題がなく、リリースや運用といったプロセスまでが考慮された設計になっていることを挙げている。
OutSystemsによる開発体制を作っていくに当たり、同社は2020年4月から3カ月間、協力会社による導入支援を受けた。導入支援の終盤から、業務に実際に活用していた、データら市場動向を分析する仕組みをOutSystemsで開発していったという。
従来、この仕組みはRPAツールと表計算ソフトの組み合わせで実現していた。しかし、RPAツールで自動化した作業が正しく行われたかを常に確認する必要があるなど、人手による作業が多く残されており、完全なシステム化には至っていなかった。
同社での最初のアプリケーションは、この仕組みをOutSystems上に移行したものとなり、これまで人手を交えつつ数時間から1日かけていた作業が1時間程度にまで大幅に短縮されたという。