オンデマンド配送用ドローンの開発を手がけるWingは、オーストラリアの小売不動産会社Vicinity Centresと提携して、パイロットプログラムを実施している。このプログラムでは、ドローンが小売ショッピングセンターの屋上で商品を受け取って、クイーンズランド州南東部の顧客に届ける。
提供:Wing
Wingは、Alphabetの子会社で、配送用のドローン技術を開発している。
Wingによると、ドローンを使って、クイーンズランド州ローガンにあるGrand Plazaの屋上から、さまざまな参加企業の商品をオンデマンドで配送するパイロットプログラムを8月中旬から実施しているという。参加企業には、食品および飲料の小売業者であるSushi HubやBoost Juice、Chatimeが含まれる。薬局を展開するTerryWhite Chemmartも市販の医薬品やパーソナルケア製品、一般的な健康商品、美容商品のドローン配送サービスの提供を開始する予定だ。
Wingのドローンサービスは現在、ローガンの19の郊外に配送を行っている。同社によると、サービス開始後の最初の6週間で、2500回以上の非接触型ドローン配送を行ったという。
Wing Australiaのポリシーおよびコミュニティーアフェアーズ責任者であるJesse Suskin氏は、「この新しい配送モデルをVicinity Centresと共に試験できることを嬉しく思う。地元の企業に、われわれの配送施設まで商品を持ってきてもらうのではなく、われわれのドローンを企業の店舗がある場所まで持って行ってサービスを提供するのは、初めての試みだ」と述べた。
「消費者の求める利便性とスピードの水準が高まる中で、オンデマンドのドローン配送は、既存の小売スペースを物流ハブやフルフィルメントセンターとして活用することで、コストのかかるラストマイル配送の問題への対処、交通渋滞や大気汚染物質排出量の削減、企業の新しい経済的機会の創出を容易にする」
パイロットプログラムが開始される前、同社はローガンの顧客への配送が10万件を突破したことを8月に発表している。Wingによると、これには、1万杯のコーヒー、1700個の子供用スナックパック、1200個のローストチキン、2700巻のお寿司、1000個のパンが含まれるという。
Wingは、テストの一環として、このパイロットプログラムをより多くの顧客に提供し、Grand Plazaに出店しているほかの企業とも提携することを明かした。
「われわれは、Vicinity Centresのチームと協力して、Grand Plazaに出店している小売企業を補完できる新しい配送モデルの開発を進め、それが成功した暁には、Vicinity Centresの小売不動産ポートフォリオのほかの場所にも同様のモデルを展開できることを楽しみにしている」(Suskin氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。