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海外コメンタリー

FAAの新しいドローン規則、グーグル兄弟会社Wingが懸念するプライバシー問題

Greg Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2021-01-12 06:45

 2020年12月の最終週、多くの人が、消耗を強いられた長い1年間を締めくくる例年とは違ったホリデーシーズンを過ごしている頃、米連邦航空局(FAA)は、無人航空機(一般にはドローンと呼ばれる)に関する新規則の最終版を発表した。この新規則は長らく待ち望まれていたもので、かねてから関係業界の注目を集めていた。新しい規則では、ドローンにリモートIDを発信することが義務づけられたほか、一定の条件下で、小型ドローンを人間の上空で飛行させることや、夜間に運用することが可能になった。

 小型ドローンの頭上飛行を禁止していた厳格な規制が緩和されたことは、ドローン配送などの分野の国際市場で他国に追いつこうとしている米国の商用小型ドローン業界にとって追い風になる。ドローンに関する新しい規則の策定に慎重だったFAAが明確なガイダンスを発表したことは、運送業の中で現在もっとも成長が期待されているドローン配送の分野(現時点で170万機以上のドローンがFAAに登録されている)にはプラスに働くはずだ。

 しかし、Googleの親会社Alphabet傘下のWingチームをはじめとするドローン業界の一部の人々は、FAAの新規則にはプライバシー保護の上で大きな問題があると考えており、今回発表された規則に失望の声を上げている。

 Wingの広報担当者は、筆者宛ての電子メールでの取材に対して「新規則は、不特定多数の人々が基本的なレベルで消費者のドローン配送の注文を追跡できるようにしてしまう」と述べている。「米国社会は、路上のタクシー移動や配送物がリアルタイムで監視されるようなことは容認しないだろう。空を飛ぶものについても、それを受け入れるべきではない」というのが彼らの主張だ。

 念のために記しておくが、FAAも、新規則を批判する側も、ドローンでリモートID(RID)を使用することについては必要な進歩だとして支持している。Wingやその他の人々が異議を唱えているのは、現在のフレームワークにはフライト情報をブロードキャストする仕組みしかないことと、その情報が誰に向けて発信されるかについてだ。Wingは最近のブログでその違いについて説明している。

 残念ながら最終版の規則では、既存の国際標準とは異なり、同程度に効果的なネットワークを利用したリモートIDを利用することができず、用途に関わらず、すべての無人航空機システム(UAS)に例外なくRIDの「ブロードキャスト」を義務づけている。このアプローチはコンプライアンスの遵守を困難にし、企業や消費者のプライバシーに、本来意図されていないマイナスの影響を与えるだろう。既知の空港間を飛行する従来の航空機とは違い、商用ドローンは、地域社会の近くで企業や家庭の間を飛行する。観測者が航空機を追跡してもそれにどんな個人や貨物が乗っているかを推測することはほぼできないが、観測者がドローンを追跡すれば、特定の利用者に関する秘密情報を推測することが可能であり、これにはユーザーがどこを訪問し、どこで時間を過ごし、どこに住み、顧客がどこからの荷物をどこで受け取ったかといった情報も含まれる。米国社会は、路上の配送やタクシー移動がリアルタイムで監視されるようなことは容認しないだろう。空を飛ぶものについても、それを受け入れるべきではない。

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