米連邦捜査局(FBI)は、FBI公式の「ic.fbi.gov」ドメインから大量の偽メールが送信された件について、「Law Enforcement Enterprise Portal(LEEP)」プラットフォームの設定ミスが原因と説明した。

提供:Dzelat/Shutterstock
「LEEPは、州や地方の法執行パートナーとのコミュニケーションに使われるFBIのITインフラだ。不正なメールはFBIが運営するサーバーから配信されたが、これはLEEPのプッシュ通知専用のサーバーで、FBI自体の電子メールサービスからは独立している。FBIのネットワーク上にあるデータや、個人を特定できる情報にアクセスしたり侵害したりすることは不可能だった」とFBIは述べた。
FBIは、まず「影響を受けたハードウェア」をすぐオフラインにし、その後「ソフトウェアの脆弱性」をすばやく修正してネットワークの整合性を確認したという。
スパムメール対策の国際組織Spamhausは、大規模なスパムメール送信が2回あったとツイートしている。
セキュリティ情報サイトを運営するBrian Krebs氏は、今回の事件の犯人を名乗る人物から連絡を受けたとして、FBIのサーバーからメールを送信する手口を説明している。サイト上からアカウント作成を申請すると、申請者は「eims@ic.fbi.gov」からワンタイムパスコードを含む確認の電子メールを受信するが、FBIのウェブサイトのHTMLコードでワンタイムパスコードが漏れていたという。犯人はブラウザーに送られたリクエストの「件名」と「本文」を編集することで、eims@ic.fbi.govから電子メールを送信できた。そして簡単なスクリプトによって偽メールの送信を自動化したという。
こうした設定ミスとソフトウェアの脆弱性は、FBIがポータルを構築するやり方に原因があるようにみえる。非常に恥ずかしい状況であることは間違いない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)
関連ホワイトペーパー
- 自社でセキュリティ向上を実践し、顧客への提案力を強化--地方の持続可能性を支援する企業の取り組み
- パスワードの使い回し、していませんか?Chrome ブラウザ機能でデータ保護の一歩を!
- IT 管理者必見!セキュリティを守り、データバックアップや移行をするための「Takeout API」
- 約700社の調査で見えた、セキュリティ教育の課題と対策
- 人的リソースが限られるなかでも全国100拠点を一元的に管理可能となるXDRソリューション
- グループ企業10社、約2万3000台へのEDR/XDR導入を4カ月で実現!キヤノンMJの活用事例
- 人気カテゴリ
- 経営
- セキュリティ
- クラウドコンピューティング
- 仮想化
- ビジネスアプリケーション
- モバイル
特集
- デジタル岡目八目
- さまざまなLinuxディストリビューションの世界
- 技術者視点で見るメインフレームの進化と深化
- 松岡功の「今週の明言」
- 中国ビジネス四方山話
- Linuxノウハウ
- 松岡功の一言もの申す
- 「GIGAスクール構想」で進化する教育現場
- カーボンニュートラル(脱炭素)
- トップインタビュー
- ICT来し方行く末
- トランスフォーメーションの破壊者:インテントAI
- 流通テック最前線
- PDF Report at ZDNET Japan
- 持続可能な地域社会を目指す「地域DX」
- 世界のICTが集まるアイルランド
- DXで直面するカベを突破せよ
- デジタルジャーニーの歩き方
- 「働く」を変える、HRテックの今
- CIO・情シス部長が知っておきたい「データクラウド」の基本と構造
- 企業セキュリティの歩き方
- ビジネス視点で分かるサイバーのリスクとセキュリティ
- Ziddyちゃんの「私を社食に連れてって」
- 対応必須化の波が到来したSBOM動向
- サプライチェーン管理高度化のススメ
- 製造業のサイバーセキュリティ・進化する脅威と対策方法
- 新潮流Device as a Serviceの世界
- ラズパイをより身近に
- プロダクトの力でビジネスを推進する
- 「責任あるAI」--AIに倫理感を持たせるには