日立製作所(日立)は、福岡市からの受託事業として、遠隔での行政手続きや相談を可能にするリモート窓口の実証実験を開始した。
実証では、公民館など生活圏にある身近な場所に、分かりやすくシンプルな操作でビデオ通話や書類表示、電子的な記入ができる端末を設置し、オンラインによる区役所の各種手続きや相談に関する試行を市民の協力のもと行う。2021年12月15日から2022年3月末までの実施を予定している。
大きなディスプレイで実際の書類と同じサイズを表示可能とするなど、視覚的に分かりやすく直感的な操作ができる画面設計とし、デジタルに不慣れな人などへの利便性向上を図る。
公民館に設置予定のリモート窓口のイメージ
政府から「デジタル手続法」が施行されるなど、自治体などにおいて行政手続のオンライン化が原則化される一方で、高齢者や外国人といったデジタルサービスの利用が難しい人との情報格差や、対面での相談業務などデジタル化が困難な業務への対応が課題となっている。
福岡市においても、子どもから高齢者まで「誰もがデジタル技術を活用できる環境づくり」を推進しており、今回の実証はその一環だという。
今後日立は、今回の実証で培ったノウハウなどを生かし、全国の自治体が取り組む行政手続きのオンライン化など地域のデジタル化とスマートシティー実現に貢献する。銀行への申請や保険加入手続き、遠隔医療の相談など、民間サービスとの連携による官民の手続きのワンストップ化を見据えたサービスを検討する。