16インチMacBook Proの2021年モデル。第2世代のApple SiliconチップであるM1 Pro(10コアCPU、16コアGPU)またはM1 Max(10コアCPU、32コアGPU)を選択できる。
提供:Apple
Intel製プロセッサーと決別し、「Mac」プラットフォームを自社製の「Apple Silicon」に移行するというAppleの決定には、多くのMacユーザーが懸念を示していたが、Appleの「M1」チップを搭載する第1世代のMacが強力なパフォーマンスと見事なバッテリー持続時間を兼ね備えていたため、その懸念は払拭された。
しかし、2020年後半に発売されたそれらの第1世代のM1搭載Macがメインストリームユーザーをターゲットにしていたことは明らかで、より要求の厳しいプロユーザー向けには、引き続きIntelベースの「MacBook Pro」「Mac Pro」モデルが販売されていた。したがって、第2世代のM1搭載Macの発売は、Appleにとって極めて重要な挑戦となる。新チップ「M1 Pro」「M1 Max」がプロユーザーの求めるパフォーマンスを提供できることを証明する必要があるからだ。
Appleはその挑戦を楽しんだようで、新しい16インチMacBook Proは既存ユーザーにとって(高価ではあるが)素晴らしいアップグレードとなっている。
デザインと機能
一見したところ、新しいMacBook Proは、2019年後半に最後にアップデートされたIntelベースのモデルとの劇的な違いは見当たらない。だが、よく調べると、いくつか重要な違いがあることが分かる。まず目に付くのは、不評だった「Touch Bar」を廃止するというAppleの決定で、これが伝統的な物理ファンクションキーの列に置き換えられた(これこそイノベーションだ)。たとえば、はるかに大きくなったEscapeキーは、細かな変更点として歓迎したい。キーボード全体もアップデートされており、「プロユーザーが好むメカニカルキーボード」を備える。ありがたいことに、タイピング時によく動き、しっかりとした感じがする。
Touch Barがなくなった。新しい「Magic Keyboard」には物理ファンクションキーが並び、非常に大きなEscapeキーもある。
提供:Apple
もう1つの細かな変更点は、あまり話題になっていないが、「Liquid Retina」ディスプレイの画面サイズがわずかに大きくなったことだ。正確に言えば、この新モデルは実際には16.2インチMacBook Proということになる。そのため、新MacBook Proはわずかに大きく、そして重くなっており、サイズは高さ1.68cm、幅35.57cm、奥行き24.81cmで、重量はM1 Pro搭載モデルが2.1kg、本記事でレビューしているM1 Maxモデルが2.2kgだ。これに対し、Intelベースの2019年モデルは、高さ1.62cm、幅35.79cm、奥行き24.59cm、重量が2.0kgだった。
だとしても、これほど大きなノートブックにしては悪くない重さだし、新しい「Liquid Retina XDR」ディスプレイと、3072×1920(226ppi)から3456×2234(254ppi)に向上した解像度は、多くのプロユーザーに歓迎されるだろう。このディスプレイは「Extreme Dynamic Range」(XDR)もサポートし、1000ニトの持続輝度(1600ニトのピーク輝度)、100万対1のコントラスト比を実現している。また、Appleの「ProMotion」機能により、リフレッシュレートを47.95Hz〜120Hzの間で、表示されているコンテンツに応じて動的に切り替えることができる。
16.2インチLiquid Retina XDRディスプレイ(3456×2234、254ppi)の設定画面。
提供:Cliff Joseph / ZDNet