NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、国内で初めてAmazon Web Services(AWS)のIT基盤システム「AWS Outposts」を導入し、自社データセンター内に検証環境を構築した。この環境でAWS OutpostsにNTT Comのデータ分析ツール「Node-AI」を組み込んだソリューション「Node-AI on AWS Outposts」を開発。提供を開始した。
AWS Outpostsは、AWSが提供するクラウドサービスと同様のITリソースを多様なローカル環境で利用できるようにするもの。低遅延処理などの特徴があり、クラウドサービスのデータセンターにデータを転送する通信コストを抑えられるなどのメリットがあるとして、欧米企業などでは評価されている。
NTT Comは開発したNode-AI on AWS Outpostsは、AWSのクラウドサービスで実行していたデータ分析をローカル環境でも実行でき、機密情報をパブリッククラウド環境に送信することなく安全に分析できるようになる。また、ノーコードによる人工知能(AI)のモデル開発や開発したAIを用いたデータ分析をローカル環境で実施でき、クラウド上で提供されるサービスに比べてよりデータソースに近い場所で処理することから、低遅延で大容量データの分析を行える。
「AWS Outposts」を活用したNTT ComのDXソリューションのイメージ
NTT Comは、今回の知見を生かしたNode-AI on AWS Outposts以外にも、AWS Outpostsをより効果的に活用するための機能を複合的に提供していくとする。具体的には、IoTセンサーやカメラと多数のエッジデバイスを接続する自営型第5世代移動体通信システム(ローカル5G)、ユーザー環境とクラウド間を接続する安全なICTインフラ、AWSの多様なクラウドサービスのマネジメントをワンストップで提供していく。