NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2月22日、東京・大手町プレイスウエストタワー内にビジネス共創を目指す作業空間「OPEN HUB Park」を開設した。持ち株会社の日本電信電話(NTT)が中心となって推進する次世代情報通信基盤構想「Innovative Optical and Wireless Network」(IOWN)や5G、SD-WAN、LANなどのインフラを配備し、共創プログラムへの参加やビジネス共創の議論空間として活用できる。
NTT Com 代表取締役副社長 副社長執行役員 栗山浩樹氏
NTT Com 代表取締役副社長 副社長執行役員 栗山浩樹氏は「OPEN HUB Parkの一番の目的はコラボレーション。(役割として)PoC(Proof of Concept、概念実証)でもありPoB(Proof of Business、ビジネス)、あるいは言葉を変えればPoC(Proof of Collaboration:コラボレーション)でもある」と説明した。
栗山氏はまた「現時点で約5000社の企業とのエンゲージメントに取り組んでいる。さらに2022年7月からNTTドコモの法人事業を統合して活動していく。すべての法人や政府自治体を含めると200~300万の組織を対象」にしたコラボレーションに取り組んでいくと方向性を示した。
開設にあわせて2月25日に「100年生き残る『強靭なコンセプト』の作り方 Produced by NewsPicks」、3月8日に「人新世のグリーントランスフォーメーション~GXで企業はどう変わるべきか~」と2つのイベント開催を予定している。
「カタリスト」が新規事業創出の触媒や触発に
NTT Comは2021年10月から、顧客やパートナー企業とともに新規事業を共創し、社会実装を目指すプログラム「OPEN HUB for Smart World」を立ち上げた。同プログラムは「人」「技」「場」を重視しているものの、その場として用意したのが、今回のOPEN HUB Parkである。
OPEN HUB Parkは、一見すると新規事業開発が流行し始めた当初、各企業の従業員同士のコラボレーション機会を生み出すコワーキングスペースのようにも見える。
だが、大きく異なるのは「カタリスト(CATALYST、触発者)」の存在だ。開発者やサービスコーディネーター、データサイエンティストなどの専門分野に特化した総勢200人(社外5人を含む)が、文字どおり新規事業創出の触媒や触発の役割を担う。
栗山氏は「カタリストは伴走者。弊社従業員の1万2000人全員がカタリストになれればいいと思う。ただ、一人ひとりのカタリストが参加するプロジェクトの平均規模を踏まえると増強しなければならない。現在の5~10倍が望ましい」と人員増強の予定をつまびらかにした。
OPEN HUB Parkの内観
OPEN HUB Parkには多くの最新技術が投入されている。