ウイングアーク1stは、「電子帳票市場に関する調査」を実施し、その結果を発表した。これによると、2022年1月施行された改正電子帳簿保存法(改正電帳法)への具体的な取り組みを行っている企業は全体の約3割で、約7割は検討と対応を進めている段階だと分かった(図1)。
図1:改正電帳法への対応状況
この調査は、業種別の改正電帳法への対応状況や電子帳票配信サービスの利用状況の把握を目的に、全国の売上高10億円以上の企業に属し、デジタルトランスフォーメーション(DX)・業務・システムの推進に携わるビジネスパーソン2231人からオンラインアンケートで回答を得た。
2年間の適用宥恕(ゆうじょ)が認められたことによる電帳法対応への影響は、「一旦検討をやめた」が12.5%、「すでにサービス導入を決定している」「特に影響はない」が25.3%だった。「あらためて社内の棚卸を実施している」「サービスの導入を検討している」を合わせた62.1%が宥恕期間を活用した対応へ変化している(図2)。
図2:2年間の宥恕期間の影響
業種別の電帳法対応状況は、「対応に向けてすでに具体的に動いている」と回答した比率が最も高かったのが「情報サービス業」(41.6%)で、全業種平均より8.6ポイント多かった。一方、今回の調査範囲の中で最も対応が遅れている業種は「運輸業」(20%)で、全業種平均より13.0ポイント低かった。
電子帳票サービスの利用状況を企業規模別に見ると、売上規模に比例して利用状況が上昇していると分かった(図3)。一方、電帳法の「対応に向けて、すでに具体的に動いている」と「電子帳票サービスをすでに利用している」の割合の差分を見ると、売上規模50〜100億円未満においては差分が7.8ポイントあり、電帳法対応における具体的な動きと電子帳票サービスの利用状況が一部かけ離れていると分かった。
業種別で「すでに利用している」と回答した業種は、電帳法の対応状況と同様に「情報サービス業」(44.2%)がトップだった。一方、利用状況が業種別で最下位となったのは「運輸業」(16.8%)だった。
図3:企業規模別の改正電帳法対応