Googleの親会社Alphabetは、量子コンピューティングテクノロジーに注力するSandbox部門をスピンオフし、独立企業Sandbox AQとしたようだ。Sandbox AQは米国時間3月22日、正式な立ち上げを発表した。
Sandbox AQによると、「AQは人工知能(AI)と量子(Quantum)の頭文字だ。この2つは、Sandboxが差し迫ったグローバルな課題に取り組むために用いる重要なツールだ」という。同社は、量子テクノロジーとAIを活用したソリューションを提供するエンタープライズSaaS企業だ。
Sandboxのチームは2016年にGoogleのパロアルト本社内でスタートした。実用的なアプリケーションで使用するための量子テクノロジーソリューションの開発に注力する部門だ。
Sandbox AQは、「通信、金融サービス、ヘルスケア、政府、コンピューターセキュリテイをはじめとする計算集約型の分野」向けのソリューションを開発する。Alphabetの同部門で作業していたエンジニアや科学者、技術者55名のチームが広範なユースケースの実用的なソリューションに取り組む。これらのスタッフは「物理学、化学、AI、神経科学、暗号学、数学などの分野」に関する専門性を持つ。
Sandbox AQの初期投資家のリストには、Googleの元最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏のほか、Breyer Capital、T. Rowe Price、Marc Benioff氏のTIME Venturesなどが名を連ねる。Schmidt氏、Breyer CapitalのJim Breyer氏のほか、18人の投資家やGoogleの上級リーダー、テクノロジー業界の幹部らが諮問委員会のメンバーとなっている。Schmidt氏は取締役会会長の責務も担う。
Sandbox AQは、「オーバーサブスクライブされた資金調達ラウンド」で獲得した現金で、AI分野の専門家や物理学者、エンジニアを追加雇用し、AIテクノロジーと量子テクノロジーのさらなる開発と製品化を推進していく計画だ。
同社は、グローバルな顧客ベースにVodafone Business、Softbank Mobile、医療機関グループのマウントサイナイ・ヘルスシステムが含まれるほか、主要な「Global 1000」企業との関わりがあるとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。