富士通ラーニングメディアとテックピットは3月7日、システムインテグレーター(SIer)を中心としたIT技術者に対する戦略的なリスキリング支援および人材育成の仕組みづくりを強化するため、業務提携を行った。
この提携は、スタートアップ企業と富士通グループの技術や製品を組み合わせることで新たな価値提供を目指す「富士通アクセラレータープログラム」にテックピットが採択されたことがきっかけだという。
同提携の第1弾としては、テックピットが運営するIT技術者向けのリスキリング支援サービス「Techpit for Enterprise」内で、最新技術の学習コンテンツを6カ月間自由に受講できる「学び放題eラーニング」の提供を行うという。第2弾では、エンジニアとしてのキャリア設計のアドバイスや体系的な学習・構築への支援、受講者のメンタリング、Q&Aサポートなど、戦略的なリスキリング体系化を企業ごとに行う「法人向け伴走サービス」を追加する。
8月以降の第3弾では、エンジニアのためのコミュニティー「Digital Reskilling Lab.」を開設し、エンジニアの自作プログラミングをプロジェクト形式でアウトプットすることで“つくることを楽しむ”機会を創出する。また、エンジニア同士で互いに教え合い、学ぶ場を提供するという。
同提携で提供するサービス
今回の提携で両社は、企業のDX推進に向けた戦略的なリスキリングや人材育成の仕組みづくりを支援する。テックピットによると、変化の激しいIT分野において、クラウドやフロントエンド領域のキャッチアップには非常に短いサイクルで技術的な知識やスキルをアップデートする必要がある一方、情報システム部門やSIerのエンジニアは、既存システムの維持や管理に多くの工数を割かれているのが現状だという。
一方、社会や顧客に対して新たな価値を提供し、競争優位を確立するためには、サービス、ビジネスの領域においてデジタル技術の活用は避けられない状況であるが、これまで技術的な分野に関わってこなかったビジネスパーソンにとっては、専門的な知識やスキルの習得には時間を要することが大きな制約になっている。
このことから、社内システムの開発や運用に携わった経験があり、技術的バックグラウンドを持つ人材に求められる期待と役割は高まりを見せており、社内エンジニアを最先端かつ多様な分野・領域に戦略的にリスキリングしていくための仕組みづくりが企業に求められていると説明した。
テックピットは同提携を通して、これまでシステム開発や運用に携わってきた専門スキルを持つエンジニアのために「組織として戦略的なリスキリングを推進する」ことで、企業の競争力の強化に寄与する構えだ。