日本IBMは5月18日、東京のグランドプリンスホテル赤坂において、「Pulse Japan 2010」を開催した。今年で3回目となる同イベントは、日本IBMのTivoli部門が主催するもの。今回は、クラウドを実践するための戦略と具体的な手法、クラウド環境におけるセキュリティ確保やコンプライアンス管理を行いつつ、高品質のITサービスを保証するサービスマネジメントの最新情報を紹介した。また、クラウド導入を検討する企業に対して、IBMのクラウド向けソリューションやクラウドの適用効果を実証するユーザー事例なども披露した。
日本IBM、専務執行役員ソフトウェア事業担当の川原均氏は「昨年のPulse Japanは、約1200人の来場者だったが、今年はエントリーだけで約2700人。クラウドコンピューティングへの関心が高まっている」とした。
午前中には「クラウドが企業競争力を変える。米国IBM最先端クラウド・データセンターとサービスマネジメント」と題して、米IBM、Cloud Computing Platforms, Enterprise Initiatives and Vice President, CTOのKristof Kloeckner氏が講演。「クラウドにコスト削減だけを求めるのではなく、同時に効率性、柔軟性を求めていく必要がある」などとした。
Kristof Kloeckner氏
Kloeckner氏は、クラウドコンピューティングについて「技術を組み合わせたものであり、新たな手法を用いてITベースの仕組みを利用できるもの」と定義し、「オンデマンド・セルフサービスの実現」「誰もがいつでもどこからでもアクセス可能なネットワーク」「場所の制約がないリソース配備」「敏捷性と融通性の実現」「柔軟な価格体系」という5つの特徴を持つとした。
「クラウドコンピューティングに関する最大の関心はコスト削減にある。それも少額のコスト削減ではなく、20〜30%のコスト削減を期待されている。それに加えて、柔軟性、敏捷性も重視されており、これまで数週間、数カ月かかっていたものを、数分、数時間で稼働させることが求められている。だが、クラウドコンピューティングで成果をあげるには、コスト削減効果以上に、サービスマネジメントやインフラがしっかりしているかどうかといった点を考慮する必要がある」(Kloeckner氏)
また、「パブリッククラウドにおいては69%のCIOが、セキュリティが阻害要因になると回答している。より高いレベルのセキュリティが求められており、さらに、他のITサービスとの連携が急務となっている。また、情報を蓄積し、解析するといった技術も必要とされている。コラボレーションと解析によるメタパターン化の必要性があるだろう」としたほか、「コスト圧迫を受ける業界こそが、クラウドの導入をけん引しており、小売業、製造業、公共事業、官公庁の50%はなんらかの形でクラウド化のプロジェクトを予算化している」という。
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