パブリッククラウド市場は2018年に3倍規模に成長--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2014-04-22 12:12

 IDC Japanは4月21日、国内パブリッククラウドサービス市場の予測を発表した。2013年の同市場は前年比37.4%増の1302億円、2018年は2013年比3.0倍に当たる3850億円と予測する。

 パブリッククラウドサービスは、一般消費者向けウェブアプリケーションなどへの対応だけではなく、既存ワークロードのクラウド化を促す製品やサービスへと発展している。2013年は、企業がIT導入時にクラウド(パブリッククラウドまたはプライベートクラウド)を第一の選択肢として検討する「クラウドファースト」元年となったと説明した。

 これまで、パブリッククラウドサービス(特にIaaS/PaaS)の用途は新規システム領域が中心だったが、2013年は既存のシステム領域まで拡大した。「何となく」すみ分けされてきたパブリッククラウドサービスと、仮想化を含めた従来型のIT製品/サービスの競合状況が始まったと分析している。

 クラウドファーストと既存IT市場との競合は、複数のクラウドを統合的に連携、管理するハイブリッドクラウドの普及を促進すると指摘。ハイブリッドクラウド時代では、顧客の嗜好(しこう)に応えるために市場の多様化や細分化が起こるとした。SaaS市場では汎用型から、産業特化型へと、アプリケーションの成長領域が変化していると説明。プライベートクラウド分野でも、オンプレミス型からホスティング型さらにはコミュニティクラウドサービスへと配備モデルの多様化が進むと指摘した。

 市場の多様化、細分化はユーザーの需要を喚起し、市場の拡大を促進するが、ベンダーにとって多品種で少量のみの販売となり売り上げ原価と販売管理費の効率化が難しくなるとしている。


2013~2018年国内パブリッククラウドサービス市場 セグメント別 売上額予測(システム/アプリケーション開発、導入支援サービスなどのITサービスは含まれない。パブリッククラウドサービスは、SaaS/PaaS/IaaSから構成される。Business Process Outsourcing / Business Process as a Service[BPO/BPaaS])、コンテンツサービスは含まれない):IDC提供

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