日本HPは10月28日、オープンソースベースのハイブリッドクラウド環境の構築や活用、管理を可能にする「HP Helion OpenStack」の提供を開始すると発表した。合わせて、プロフェッショナルサービス部門「HP Helion OpenStack Professional Services」を新設し、サービスを提供開始する。
顧客ニーズに合ったOpenStackの専門知識の提供により、企業におけるOpenStackベースのクラウドの導入を支援するとしている。Helion OpenStackの価格は12万9000円(税別)から。
テクニカルサポート使用権は1年間の標準時間サポート付きが12万9000円から。このほか、24時間×週7日サポート付きは23万6000円から、5月から提供中の無償ディストリビューション「HP Helion OpenStack Community」におけるテクニカルサポートは1年間の標準時間サポート付きで9万7000円(いずれも税別、物理サーバ単位)。いずれも販売開始は11月25日。
OpenStackはクラウドコンピューティングのオープンソースプロジェクトで、相互運用性とエンタープライズでの利用を前提にしている点で注目を集めている。HPは、OpenStack Foundationの「創設プラチナメンバー」として、早い段階からOpenStackプロジェクトに戦略的に取り組んできたとのこと。4年間にわたりエンタープライズ環境で大規模なOpenStackクラウドサービスを稼働してきた。
OpenStackをベースとしたディストリビューションの商用版として提供するのがHelion OpenStack。エンタープライズアプリケーションや共通プラットフォーム上でのサードパーティ製ハイパーバイザーのサポート、データベース、予想可能なアップグレードパス、堅牢な管理性を特徴とするハイブリッドクラウドだとしている。
HPが説明する主な特徴は以下の通り。
- OpenStackクラウドソフトウェアをスピーディかつ高信頼性で導入
- エンタープライズが求める高信頼性を実現する厳しいテスト
- HelionやHP サーバ、ストレージなどのハードウェア、管理サービスを統合して提供
- 別途合意する条件に基づき、OpenStackテクノロジ単体またはLinuxコードとの組み合わせを対象とした著作権、特許権または営業秘密の侵害および不正使用に対する請求から顧客を保護
- 24時間×週7日のビジネスサポートをオプションで提供
新設されたHelion OpenStack Professional Servicesは、HPの経験豊富なアーキテクトやクラウド技術者からなるチーム。同組織は、世界最大規模のOpenStackパブリッククラウドである「HP Helion Public Cloud」を運用し、OpenStackコミュニティに数千行のコードをコミットした数百人のエンジニアがバックアップする。
Helion OpenStack Professional Servicesのサービスに含まれる内容は以下の通り。
- OpenStackテクノロジアセスメント:コンサルタントが、企業が目標とするビジネス成果を理解し、目標達成のための戦略を顧客と協力して識別する。適切なクラウドワークロード導入モデル(プライベート、マネージド、パブリック、またはハイブリッド)を定義し、PoC(proof-of-concept:概念実証)の提供や、本番前または本番用環境に関してアドバイスする
- OpenStackテクノロジの設計と実装:ベストプラクティスを使用してクラウドインフラストラクチャを構築し、ワークロード移行とプロジェクトのPoCを推進する。あるいは、テスト用にOpenStackを本番前環境に統合する
- OpenStackテクノロジアクセラレータ:固定サービスにより、トライアル用、開発環境用、標準導入用のOpenStack導入を迅速に支援する
- OpenStackテクノロジの最適化:リモートキャパシティとパフォーマンス監視サービス、継続的な統合とパッチ適用、365日24時間のサポートなど、クラウド導入の継続的なライフサイクル管理を提供。OpenStackソリューションの統合・管理のために、ITスタッフとパートナーのトレーニングや認定も行う