富士通、設計書から100%自動でソースコードを生成するツール--テストデータも

NO BUDGET

2014-08-28 16:22

 富士通は8月28日、システムの開発と保守作業を効率化する業務プログラム開発支援ツール「FUJITSU Software Interdevelop Designer」(Interdevelop Designer)を、同日から販売すると発表した。日本語の設計書からCOBOLとJavaのソースコードを100%自動で生成できる。

 今回の販売はCOBOL向けで、現在開発中のJava版は2015年3月末に提供を開始する。製品には開発サーバとクライアントがある。開発サーバは840万円から、動作させるには最小構成で2台のサーバライセンスの購入が必要となる。クライアントは58万8000円、またはレンタルで月額4万9000円(いずれも税別)から。販売目標は、2017年度末までに開発サーバ60ライセンス、開発クライアント1500ライセンスとしている。

Interdevelop Designerのイメージ
Interdevelop Designerのイメージ

 Interdevelop Designerは、富士通と富士通ミッションクリティカルシステムズが開発した。日本語の設計書からプログラムソースを自動生成し、また、設計変更の際にも設計書上の記述を変更することでソースを自動的に変更できる。プログラムソースを改変する必要がなく、設計書とプログラムソースが常に一致するため、文書管理やプログラムの保守も効率化できる。

 製品を利用する際には、まずプログラムで使用する全ての業務用語やデータ定義などを「データ辞書」に登録。次に、「設計書エディタ」に用意されている定義書パターンを利用し、データ辞書から設計書エディタに表示される業務用語やコード、項目名などを利用して、日本語の設計書を作成する。

 同ツールは、この設計書を元にソースコードを自動生成し、そのプログラムの単体テスト仕様書やテストデータ、テスト環境も自動生成する。これにより、プログラミング作業の時間を節約するだけでなく、人手を介した作業で発生するミスを排除でき、高品質なシステムを低コストで開発できるという。富士通は、従来の方法と比べ、開発や保守コストを約40%削減できるとしている。

システム開発コスト比較
システム開発コスト比較

 また、設計書の作成には事前に定義された要素を用いるため、設計書のレベルを均一化できるとともに、プログラムの自動生成により、特定のプログラム開発言語スキルが不要となることから、プログラマーによる品質のバラツキも解消できる。技術者の高齢化に伴うシステム開発や保守担当の後継者不足といった問題にも対応しやすくなる。

システム開発の属人化を防止
システム開発の属人化を防止

 さらに、富士通のアプリケーションフレームワーク「FUJITSU Software INTARFRM」との併用により、ウェブアプリケーションの画面処理への最新インターネット技術活用やインフラの変更、またOS/ミドルウェアのバージョンアップといった外的要因による業務アプリケーションへの影響を緩和できるため、より効率的にシステムの構築や改変ができるようになるとしている。

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