データセンターの寿命は平均で15年から20年といわれている。では、現世代のデータセンターがその寿命を迎えるとき、後に続くデータセンターも今と同じような姿なのだろうか?
西暦2000年ごろにデータセンターの新築ブームが起こったことを考えると、データセンターを建て直そうという機運が到来するよりも前に、何百ドル分ものサーバハードウェアや関連機器の償却時期が訪れることになりそうだ。
ただし、それなりの規則性で、「破壊的テクノロジ」によってそのときどきの状況が引っくり返されてきたのだから、現在のITトレンドをそのまま将来にあてはめても確かな結論は得られない。
とはいうものの、データセンターの設計に関するいくつかのマクロなトレンドの出現は、将来のサーバやデータセンターの姿についてアイデアを与えてくれるはずである。
グリーン化
グリーンコンピューティングが声高に叫ばれるようになり、サーバ設計に関連する最近の技術革新のうち一般的なデータセンターにおいて二酸化炭素排出を抑える近道の1つとして、消費電力削減に特に注目が集まっている。現在、高密度ブレードサーバと関連スイッチをフルに実装したとすると、ラックあたり最大40kWを消費する場合もあり得る。わずか数年前のデータセンターの定格消費電力の数倍に匹敵する電力だ。
このように巨大な電力が消費されれば、電力需要の増加を招くのみならず、サーバから大量の熱が発せられることになる。しかもすべての排熱は、(サーバ機器などと)同じぐらい高価で、しかも電力を大量に消費する空調システムを使用して、冷却しなければならない。
「私たちは常に、性能を最大限に発揮させるサーバの設計を求められてきた」と、Hewlett-Packard(HP)で業界標準サーバ部門のアジア太平洋地域バイスプレジデントを務めるTony Parkinson氏は述べている。同社は汎用的な製品であるローエンドサーバから、電算室を埋め尽くすような高性能コンピューティング(HPC)クラスタまで、幅広いサーバラインアップを揃えている。「道を間違っていたのかもしれない。増大する電力に対応した構築を進めるだけでなく、対処すべき電力のダイナミクス全体に直面している」
こうしたダイナミクスにより、データセンターの運用担当者には数々の選択の検討が迫られている。