「運用管理ソフトウェア」と言ってもその種類は多岐に渡り、目的も用途も様々である。そのために自社の情報システム全体を把握した上での導入や活用が難しく、十分な効果を得られないこともある。運用管理ソフトウェアを導入したはずなのに、「トラブルを未然に防ぐことができなかった」「人手による手作業が減らなかった」などといった経験を持つ方も少なくないだろう。
そこで本稿では、そもそも「運用管理ソフトウェア」とは何なのか?をあらためて整理し、全体を俯瞰した運用管理ソフトウェアの導入と活用のポイントについて解説していく。
運用管理ソフトウェアは、次のように定義される。
様々なITリソースの正常な稼働状態を維持し、それらの運用および保守作業の効率を改善することを目的としたソフトウェア
しかし、この定義のままでは依然として漠然としているので、上記の定義を前半と後半で分けて考えてみよう。
すると、運用管理ソフトウェアには「ITリソースの正常な稼働状態を維持する」と、「ITリソースの運用および保守作業の効率を改善する」という2つの目的があることがわかる。前者は「稼働状態の監視(モニタリング)」、後者は「作業の自動化(オートメーション)」という言葉でまとめることができるだろう。
つまり、運用管理ソフトウェアには、
という2つの目的があることになる。この二つの目的を軸にして、
という観点で整理をしていけば見通しが良くなる。
従来は「手段」のみで運用管理ツールを分類しようとしていたため、具体的にどういう場面で利用するものなのかがユーザーにとってわかりづらかった。
例えば「ログ管理ツール」といっても、「ユーザーアカウント(対象)」の「操作を監視(目的)」することで不正行為を防ぐ「ログ管理ツール」もあれば、「サーバリソース(対象)」を元に「自動的な最適化(目的)」をしてサーバ障害を防ぐ「ログ管理ツール」もある。手段は同じ「ログ管理ツール」でも、対象と目的は全く異なっている。自社にとって必要な「対象」と「目的」を明確にした上で「手段」を選択することが、失敗のない運用管理ソフトウェアの導入と活用の第一歩といえるだろう。
この「対象」「目的」「手段」の観点から運用管理ソフトウェアを整理したものが以下の「運用管理ソフトウェア分類マップ」である。目的を「モニタリング」と「オートメーション」に二分した縦軸と、システムのレイヤに沿って対象を整理した横軸が交差する場所に各手段を配置している。
検討している運用管理ソフトウェアをこの分類マップ上にプロットし、自社が必要とする「目的」と「対象」を漏れなくカバーできているかどうかをチェックすれば、「サーバの稼働監視に多額の投資をしたが、実業務はバッチ処理の終了待ちばかりで相変わらず非効率」などといったことを防ぐことができるわけである。
それでは実際の運用管理ソフトウェア製品を例にとって、「運用管理ソフトウェア分類マップ」に当てはめてみることにしよう。
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