東京エレクトロンは6月6日、データのバックアップ用途を狙ったデータ圧縮機能付きのNAS装置「DD400エンタープライズシリーズ」(DD400)の販売を始める。データ容量に応じて3機種と、外付けストレージと組み合わせて使うNASヘッド製品1機種を用意、順次出荷を始める。価格は333万円から。
DD400は、バックアップソフトから見ると、ギガビットイーサネットを経由してネットワーク・ファイルシステムとして機能するNASである。プロトコルはNFSとCIFS。一般的なNASと異なる点は、データのバックアップ媒体としてテープ装置を置き換える目的を持ち、この目的のためのデータ圧縮機能を備える点である。
典型的な使い方は、2台のDD400を用意し、1台をサーバ機と同一のデータセンター内部でテープ装置の代わりにバックアップ媒体として使い、もう1台をWAN経由で遠隔拠点に配置して遠隔バックアップするというもの。データ圧縮によって、バックアップソフトからは巨大なファイルに見えるデータであっても、2台のDD400同士の間では容量の少ないデータとして扱える。
データ圧縮は、データの冗長性をなくすことで実現する。圧縮したデータを読み出す際に必要になるメタデータを実ファイルとともにディスク上に書き込む。一般的なファイル圧縮ソフトの動作と異なる点は、メタデータを利用することで、圧縮対象となる全データをメモリ上に展開して冗長性の再検査をするといった手順を踏むことなく、データの追記が可能である点である。複数のファイルやディスク領域を独立して圧縮の対象とするのではなく、複数のファイルやディスク領域にまたがる冗長性まで圧縮の対象とする。
いずれの機種も、パリティ専用ディスクを2本使ってRAID-4構成全体のパリティを別のディスク1本に収録するダブル・パリティRAID構成を採用した。さらに1本、予備のディスクを1本用意する。つまりデータ用ディスクは搭載総数から3本少ない本数となる。
搭載するディスクの容量に応じて、以下の3機種を用意した。DD410は160Gバイトのディスクを8本搭載し、データ容量は約1Tバイト。データ圧縮により、週次フル日時差分バックアップ時に15Tバイト、日次フルバックアップ時に55Tバイトとして利用できる。DD430は400Gバイトのディスクを8本、つまり2.5Tバイトのディスクを週次フル日時差分バックアップ時に42Tバイト、日次フルバックアップ時に114Tバイトとして使える。DD460は400Gバイトのディスクが15本。5Tバイトの領域を、週次フル日時差分バックアップ時に83Tバイト、日次フルバックアップ時に233Tバイトとして利用できる。
価格と出荷時期は以下の通り。15T〜55TバイトのDD410が333万円で販売日と同じ6月6日に出荷。42T〜114TバイトのDD430が777万円で7月出荷。83T〜233TバイトのDD460が1295万円で7月出荷。外付けストレージのヘッドとなるDD400gの価格は未定で第3四半期の出荷を予定する。