ミラクル・リナックスと日本ストラタステクノロジーは5月24日、ミラクル・リナックスのLinuxサーバOS「MIRACLE LINUX」と、ストラタステクノロジーの無停止型(fault-tolerant)サーバ「ftServer」において、戦略提携すると発表した。テレコム業界を主なターゲットとし、無停止型Linuxサーバを提供する。
両社の提携のねらいについて、日本ストラタステクノロジー 代表取締役社長の長井正利氏は、「ミラクル・リナックスの日本国内における迅速なカーネルサポートと、ストラタステクノロジーの無停止型ハードウェアで、Linuxシステムの運用の不安や負担を排除できる」としている。
ターゲットとするのは、ストラタステクノロジーが多数の実績を持つテレコム業界が中心となるが、ミラクル・リナックスはキャリアグレードLinuxへの取り組みも進めており、ミラクル・リナックス 代表取締役社長の佐藤武氏は「IPテレフォニーが進展する中、テレコム市場向けのソリューションが拡充できる」と述べた。
- 日本ストラタステクノロジー 代表取締役社長 長井正利氏(左)と、ミラクル・リナックス 代表取締役社長 佐藤武氏(右)
今回の提携で、ミラクル・リナックスはLinux市場で初めて無停止型サーバと提携することになる。ハード面を補強することで、ほかのLinux製品との差別化を図る。ストラタステクノロジーにとっては、同社のサーバ製品シリーズに商用LinuxベースのOSを搭載したサーバが加わることで、多様な製品が提供できるうえ、安定性やセキュリティの強化、価格面でも競争優位性が確保できるとしている。
また、ミラクル・リナックスは日本国内だけでなく、アジア市場を視野に入れた事業を展開している。その一環として、中国のRed Flag Softwareおよび韓国のHaansoftと「Asianux(アジアナックス)」プロジェクトにおいて提携しているが、今回のストラタスとの提携は、日本国内みならず、Asianuxと米Stratus Technologiesとの技術提携も含まれる。
提携の対象となる商品は、7月にリリース予定の「Asianux 2.0」に対応したミラクル・リナックスの「MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside」と、ストラタステクノロジーのftServerシリーズだ。両社間での製品検証はすでに開始しており、今後MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Insideを搭載したストラタス製ftServerシリーズを、「ftServer Mシリーズ」(仮称)として販売する予定だ。出荷開始日や価格などは未定となっている。