サンフランシスコ発--Intelは米国時間7日、次世代チップアーキテクチャの名前が「Core Microarchitecture」になることを明らかにした。この新しいアーキテクチャはAMDに対する反撃の基礎となるものだ。
同社最高技術責任者(CTO)のJustin Rattner氏は、当地で開催中の「Intel Developer Forum」で行った講演の中で、このアーキテクチャの名称に加え、これを採用するプロセッサの性能および消費電力に関する詳細をいくつか公表した。ノートPC向けに開発されたPentium Mプロセッサの流れをくむ新アーキテクチャは、消費電力削減と、それ以前から優先されていた処理能力向上を最も重視している。
Rattnerは、「消費電力は誰もが気になっている事柄だ。次に切り開くのはこの分野だ。消費電力の問題は、人々の日常生活にとって重要な関心事になっているだけでなく、Intelのほぼすべてのプラットフォームでも重要な関心事となっている」と語った。
Coreマイクロアーキテクチャは、計算処理における2つの問題に対処するように設計されている。その問題とは過剰な消費電力とその結果生じる発熱のことで、この2つは関連し合っている。1ワットあたりの処理能力向上は、市場シェアをライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)に奪われ、財務面でも不振が続いているIntelにとって、新たなセールスポイントとなる。
Coreマイクロアーキテクチャは、IntelのPentium 4シリーズに採用されながらうまくいかなかった「NetBurst」マイクロアーキテクチャに代わるもの。NetBurstはチップの高速化に重点を置いたものだったが、クロックスピードが高くなると消費電力が非常に多くなってしまったため、IntelはNetBurstを使った4GHzチップの開発計画を中止することになった。
「Pentium 4が最初に登場した当初、そのパフォーマンスは多くの人にとってかなり期待はずれだった」とIlluminataアナリストのGordon Haff氏は述べている。「あれだけ大量に売れたのだから、Pentium 4を失敗というのは難しいが、進化が行き詰まったことは確かだ」(Haff)
Coreマイクロアーキテクチャを採用する3種類のチップは、すべてデュアルコアモデルで、2006年後半の投入が予定されている。具体的にはデスクトップコンピュータ用が「Conroe」、ラップトップ用が「Merom」、そしてサーバ用が「Woodcrest」となる。Rattnerは、この3つのチップで実現される性能向上を売り込んだ。
同氏によると、Woodcrestは既存の2.8GHz版デュアルコアXeonに比べて、消費電力が35%少なく、しかも処理性能が80%向上するという。またConroeは、デュアルコアのPentium D 950に比べ、消費電力が40%減る一方で、処理性能は40%増加する。さらに、Meromについては、「Core Duo T2600と同じバッテリ駆動時間を維持しながら、かなりの性能向上が見込める」とした。
消費電力の削減
Rattner氏は、歴代のPentiumプロセッサの処理性能と消費電力を示すチャートを示し、徐々に進んできた性能の改善が消費電力の増大によって相殺されていると説明した。
「われわれはこの問題を長年にわたって研究してきたが、この傾向には少々気を付ける必要がある」と同氏は述べた。「1つの命令を実行するのに必要とされるエネルギー量は大幅に増加している・・・この期間中に優に4倍にはなっている」(Rattner氏)