プロサイド、AMD Opteron搭載のEDA市場向け専用ワークステーション

藤本京子(編集部)

2005-07-11 19:54

 プロサイドは7月11日、EDA(Electronic Design Automation)市場に向けて専用設計されたエンジニアリングワークステーション「AEW216シリーズ」の新製品2機種を発表した。AMDのOpteronプロセッサを採用し、最大64Gバイトのメモリを搭載する。7月下旬より販売開始する。

 EDAとは、大規模半導体や電子機器等の設計をコンピュータ内でシミュレーションして作り出し、設計作業を自動化して完成を早めるための知的ソフトウエアおよびその設計に用いるツールを指す。プロサイドはこれまで、CTO(注文仕様生産)中心のパソコンおよびサーバメーカーとして事業を行ってきたが、「顧客のニーズから、EDA市場に向けた大容量メモリへの対応や、CPUおよびOSの64ビット化に対応した専用機が必要だと感じた。AEWシリーズでは、通常3〜4週間の時間を必要とする3000万ゲートクラスの設計などを、約20%〜40%高速化することが可能だ」と、プロサイド代表取締役の椎名堯慶氏は説明した。

 今回同社が発表したのは、デスクサイドで使用されることを想定したミドルタワー型のEDAエンジニアリングワークステーション「AEW216C4」と、数台のEDAワークステーションを遠隔操作で利用することを想定した1Uラックマウントタイプの「AEW216R1-SC」の2機種だ。

 タワー型のAEW216C4は、4Uラックマウントにも変更できる。デュアルコア対応CPUを2基搭載することにより、4ウェイへの拡張も可能だ。デスクサイドでの使用を想定しているため、サイズはデスクトップPC並のコンパクトな設計となっているほか、冷却ファンの回転数を自動制御するなどして、システムの動作音の軽減も実現している。今後同モデルをベースとした省電力モデルもリリース予定だ。

「EDA市場で世界を相手に戦う」と意気込むプロサイド代表取締役の椎名堯慶氏

 1UラックタイプのAEW216R1-SCは、サーバルームなどに設置し、遠隔操作での運用を想定している。4ウェイCPU、64Gバイトメモリ、4台のハードディスクまで拡張が可能だ。また、RAIDディスクの装備やリモート監視機能(予定)によってシステムの状態が把握できるようになっている。

 価格はオープンだが、専務取締役の椎名晋大郎氏は「顧客ニーズに合わせたCTO的な販売を考えているため、構成によっては100万円〜1000万円という幅広い価格帯になるだろう」としている。

 プロサイドにとってEDA分野への進出は今回が初となるが、代表取締役の椎名氏は「グローバルな市場をターゲットとしてビジネスを拡大したい。EDAの世界市場は、日本の市場の15倍〜30倍はあると言われている。国内の販売ターゲットは今期で200〜300台程度と見込んでいるが、グローバル市場に進出することでボリュームメリットを出していきたい」としている。

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