IBMのサーバ担当幹部が、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronに高い関心を示している。ビジネス上の利点が見込めること、Hewlett-Packard(HP)やSun Microsystemsが同チップで成功を収めていることがその理由のようだ。
IBMのシステム技術グループシニアバイスプレジデントのBill Zeitler氏は先週実施されたインタビューで、Opteronチップをより幅広く取り扱う計画の有無についてはコメントしなかったものの、そのような措置が理にかなっているとの考えを示唆した。
「今後の措置や、その時期、可能性について、推測で物を言いたくないが、HPとSunがOpteron製品をIBMより幅広く提供したことで、メリットを得ていることに疑問の余地はない。Opteronを4基搭載可能な製品を採用していたら業績が上がっていたかもしれない点など、検討すべき材料はいくらでもある」(Zeitler氏)
IBMは、Opteronサーバを最初に発売した大手サーバメーカー4社のうちの1社だが、同社は技術コンピューティングという市場に的を絞って製品を提供してきた。その後同社は、一般のビジネスコンピューティングにも適したブレードサーバを追加している。Zeitler氏によると、IBMでは2005年第4四半期のこれらの製品に対する需要に驚いたが、その後の2006年第1四半期にはブレードの「販売が非常に好調」だったという。
IBMがOpteronに積極的な姿勢を見せれば、Dellにプレッシャーがかかる。Dellは、大手サーバメーカーのなかで唯一、Intelベースのx86サーバのみを扱っている。TechKnowledge StrategiesのアナリストMike Feibus氏は、「Opteronは採用すべきだ。SunやHPはこれを採用して大成功を収め、IBMも注目するようになっている。Dellがどこまで傍観していられるかは見ものだ」と語っている。
Zeitler氏がOpteronに対する関心を明らかにするわずか3カ月前には、x86サーバグループを率いるSusan Whitney氏が、対照的な意見を述べていた。Whitney氏は1月、顧客が求めているのは主流Opteronサーバではないとし、IBMはXeonサーバ用のX3チップセットで満足している、と語っていた。
AMDのOpteronは、2003年の発売以来、x86サーバ市場をほぼ独占していたIntelのXeonから順調にシェアを奪ってきた。Intelも市場競争力を高めようと努力を続けており、依然としてサーバ市場を独占している。
Opteronの利点として挙げられるのは、メモリコントローラを内蔵することにより、データの読み書きにかかる時間が短縮されている点だ。また、マルチプロセッササーバの製造コストを抑える高速HyperTransportリンクも採用されている。さらに、チップ製造技術はIntelの方が進んでいるものの、低消費電力やデュアルコア設計の面では、AMDに軍配が上がっている。