日本ヒューレット・パッカード(HP)は3月13日、インテルのItanium 2プロセッサを搭載したブレード型サーバ「HP Integrity BL860c サーバブレード」を発表した。4月1日より出荷開始する。
BL860cは、HPが「第3世代」ブレードと位置づけているHP BladeSystem c-Classの筐体に搭載可能な製品のひとつとなる。第3世代ブレードでは、サーバのみならず、ストレージやネットワークまでをブレード化したのが特徴だ。日本HP 取締役副社長執行役員の石積尚幸氏は、c-Classが「2003年のHPとCompaqの合併による各社の技術を集約して開発した製品だ」としており、「将来的にデータセンターで必要なあらゆるシステムをブレードで実現できるようにする」と、同社のブレード戦略について説明した。
HPでは、同社の85以上のデータセンターを2010年までに6つに集約するプロジェクトを進めている。そのためにも同社は、物理レイアウトの最適化や、オペレーションの自動化、リソースの仮想化、コンポーネントの標準化を実現した「Adaptive Infrastructure」を目指しており、「データセンター集約のために自分たちがどのようなITシステムを使うべきかを考えて開発したのがc-Classブレードだ」(石積氏)という。
石積氏が「データベースの運用にも耐えうる、ミッションクリティカル性の高いブレードサーバ」とアピールするBL860cは、Itanium 2プロセッサを最大2個搭載可能で、HP-UXをはじめとするUNIX OSに対応する。Windowsも2007年下半期にはサポート開始の予定だ。
BL860cは、c-Classの筐体に最大8枚搭載でき、x86プロセッサ搭載の「HP ProLiant」ブレードと同一筐体内での混在もできる。混在環境を1つの筐体にまとめることで、「効率的なサーバ統合が可能なほか、管理環境も簡素化できる」と、Hewlett-Packard ビジネスクリティカルサーバ ワールドワイド プロダクトマーケティング ディレクターのBrian Cox氏。
また、他のIntegrityサーバ製品と同等のハイエンド機能をサポートしている。HPの特許技術で、DRAMチップが2個故障しても運用継続が可能な「ダブルチップスペアリングメモリ」や、ハードディスクのデータセキュリティをより強固にする「セキュリティチップモジュール」なども採用されている。さらに、BL860cは省電力化も実現している。同社製品で消費電力性に優れているとされる「HP Integrity rx2660」と比較しても、最大30%程度の省電力化を実現した。
HPでは、2007年から2008年にかけての事業目標として、Integrityサーバラインでブレードサーバの売上を台数ベースで10%にまで伸ばしたいとしている。また、もうひとつのサーバライン「NonStop」サーバのブレード化について、Cox氏は「HPではすべてのサーバのモジュール化を推進している。NonStopサーバも来年にはブレード化したい」と述べた。