日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月10日、x86サーバ事業の新戦略を発表した。同社のx86サーバ事業は、IDCの調査で2007年第4四半期の国内出荷台数シェアが25.1%となり、「念願の1位」を獲得したばかり。1位の座をキープし、次の目標となる「シェア30%獲得」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長の橘一徳氏)に向け、新たな戦略を打ち出した。
まず日本HPは、新製品としてラックマウント型エントリーサーバ「HP ProLiant DL120 Generation 5(G5)」を同日より発売する。DL120 G5は1ソケットサーバで、橘氏によると「HP ProLiantシリーズの中で製品ポートフォリオが一番弱かった部分」。この分野に新製品を投入することで、「中堅中小規模企業のサーバ活用を促進し、新市場の開拓に努める」と橘氏は話す。
DL120 G5はコストパフォーマンスを重視しており、価格は5万9850円(税込み)から。出荷は5月中旬となる。この新製品により、「HPの出荷するサーバの中で、1ソケットラックサーバの出荷比率を5%向上させたい」と橘氏は言う。
2つ目の施策は、ブレードサーバを含む同社のx86サーバの本体165製品を、最大25.4%、平均15%値下げすることだ。ストレージ製品「HP StorageWorks」の一部製品を含むオプション30製品についても価格改定を実施する。
価格改定の理由について橘氏は、「経済に不透明感があり、日本のIT投資が今後どうなるかわからない中で、今後も投資を続けてもらえるような環境を作りたい」と述べる。価格改定が可能な背景としては、DRAMをはじめとする部材コストの下落が進んでいることや円高はもちろん、「コスト構造の改革も進めている」(橘氏)としている。
3つ目の施策は、人材育成を強化することだ。まずは、東京都新宿区にある「HP教育サービス トレーニングセンター」のx86サーバ関連のトレーニング会場を従来の3倍に増強する。これにより、一度に最大40名までのトレーニングが開催できる。
また、パートナー向けの技術者認定資格「HP認定プロフェッショナル・プログラム」では、従来のHP ProLiant用の資格に加え、ブレード製品「HP BladeSystem」用の資格を新設、年内に200人の認定技術者の育成を目指す。日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 プロダクトマーケティング部 部長の正田三四郎氏は、「ブレード製品を扱うにはOSやネットワークの知識も必要で、より一般的な試験に近い内容となる」として、幅広い技術者に受験してもらいたいと述べた。