OracleがSiebel Systemsの買収を発表した9月12日、Salesforce.comのユーザーおよびデベロッパ向けカンファレンス「Dreamforce '05」が米カリフォルニア州サンフランシスコにて開催された。米Salesforce.comの会長兼CEOのMarc Benioff氏は、基調講演にて今回の買収について触れ、「(オンデマンド方式を採っていない)古いタイプのソフトウェアを提供する企業では、市場が成熟して成長が難しくなってきたため、企業同士の合併で規模拡大するしか道がなくなっている。今回の買収は、オンデマンド企業の将来が明るいことを証明している」と述べた。
Oracleは、2004年にPeopleSoftの買収も実現している。つまりOracleは、同社が自社で提供していたCRMソフトをはじめ、PeopleSoft製品や、PeopleSoftがOracleに吸収される前に買収したJ.D. Edwards製品、さらには今回の買収で手に入れるSiebel製品など、多数のCRM製品を抱えることになる。Benioff氏は「Oracleでは顧客に幅広い選択肢を与えられると言い訳するかもしれないが、実際には顧客もどれを選んでいいかわからないだろうし、Oracle自身もどの製品を勧めていいのかわからないのが現状だろう」と、否定的な見解を示し、「その点Salesforceの製品は1つしかない。製品を選ぶ時点で混乱はなく、使いたい機能だけを使えばいいのだ」と、自社の製品のわかりやすさをアピールした。

- オンデマンドの優位性を語る米Salesforce.comの会長兼CEOのMarc Benioff氏
Benioff氏は、同じく12日に発表されたeBayによるSkypeの買収についても、「インターネットの可能性が広がっていることをeBayはよく理解している。今では、アプリケーションや情報共有、コミュニケーションなど、すべてがインターネット上で可能となっているのだ」とコメントした。
Winter '06バージョンの目玉を発表
Salesforce.comでは、1年に約3回の頻度でサービスをバージョンアップしているが、年内にも発表される予定のWinter '06バージョンの目玉となるのは、オンデマンドアプリケーション共有サービスの「AppExchange」だ。
AppExchangeは、Salesforce.comのプラットフォーム上に用意された用途別のアプリケーションで、ユーザーは必要なアプリケーションを自由に選んで利用できる。現時点では、Salesforce.com自らが開発した35のアプリケーションと、パートナー企業などが用意した35のアプリケーションの合計70個がプレビューできるようになっている。アプリケーションは、営業用、マーケティング用、人事用、サービス・サポート用、経理用など、さまざまな分野に渡り、これまでのサービスではカバーされていなかった文書管理やプロジェクト管理機能なども提供されている。
Salesforce.comがAppExchangeで提供するアプリケーションは無償だが、パートナー企業の開発したアプリケーションの場合、通常は別途料金が必要となる。パートナーが同プラットフォームを通じてアプリケーションを販売する際、売上はすべてパートナー企業のものとなり、Salesforceへのコミッションの支払いは発生しない。
Benioff氏は、AppExchangeをApple ComputerのiTunesに例え、「iTunesが同プラットフォーム上で様々な楽曲を提供し、iPodの可能性を拡大させたのと同様のことがAppExchangeで実現する。つまりAppExchangeは、Salesforceのユーザーや開発者コミュニティが、オンデマンドアプリケーションを自由に交換できる場を与えることになるのだ」とした。
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