ESP(エンタープライズサーチプラットフォーム)の世界でイノベーションを続けるFast Search & Transferのテクノロジーで、一体どのような機能が提供できるのだろうか。同社CTOオフィスでシニアリサーチサイエンティストを務めるWill Archer Arentz氏が、現在開発中の技術も含めてデモを披露した。
まずは、Fastが4月30日に発表したばかりの「FAST Media」だ。これは、同社のESPを基盤としてメディア企業が必要とするさまざまなソリューションをパッケージ化したもの。モバイル端末向けにコンテンツや広告を配信可能とする「FAST Mobile Search Platform」や、文脈解析広告のプラットフォーム「FAST AdMomentum」などが含まれる。
FAST Mediaのひとつの機能に、「FAST Multimedia Miner」がある。この技術では、音声や動画、イメージ、テキストなどあらゆるフォーマットのコンテンツが検索できる。例えば動画検索では、音声認識技術と連動し、動画とその中で話されている言葉を検索、探しているキーワードとそのキーワードが使われている場所をすぐに調べることができる。
また同社では、イメージマッチング検索も提供している。画像の色や形、模様などのパターンマッチングにより、似たような画像を探し出す仕組みだ。Arentz氏によると、Eコマースサイトでイメージの似た製品を探し出すために使われているのはもちろんのこと、著作権のある画像が不正使用されていないか検索するために導入する企業や、未青年のポルノ画像を発見するために導入している政府関連機関もあるという。
FAST Mediaの機能には含まれていないものの、同社では音楽検索技術も提供している。音楽のリズムや音を分析し、似たような音楽を探し出す技術だ。Arentz氏は実際に、Beatlesの「Let It Be」を口笛で吹き、それを音楽検索技術で「Let It Be」だと認識するデモを披露した。
Arentz氏によると、これはカーナビゲーションメーカーからの引き合いが基となって開発したものだという。カーナビゲーションに大量ハードディスクが搭載され、音楽も搭載可能となった今、「この技術を使って、鼻歌を歌いながら聞きたい音楽を探し出したり、似たタイプの音楽を続けて再生したりすることができる」とArentz氏。また、「カラオケ店で曲名がわからなくても歌いたい歌を探すことや、CDショップで欲しい音楽を検索するためにも使える」とArentz氏は話す。
さらにArentz氏は、同氏が所属する日本の研究開発チームが中心となって開発した特許検索技術を紹介した。これは、日本の特許データベースから発明の内容を検索し、それぞれの特許について発明者や発明の詳細を表示する仕組みだ。もちろん、分野別、発明者別などといった絞り込みも可能となっている。
Arentz氏は、日本で最初に特許検索の開発が進んだ背景について、「日本では家電メーカーなどで数多くの特許を所有しており、こうした検索技術のニーズが高かった」としている。ただし「この技術そのものは言語に依存しておらず、データベースさえそろえば他国でもすぐに展開可能」とArentz氏は説明する。
Arentz氏は、「Fastは検索技術を提供する企業だが、ビジネス上の用途を提案できなくては技術があっても意味はない。技術力はもちろん、その技術に見合った利用法も含めて提案していきたい」と述べた。
ノルウェーの首都オスロの中心地に本社を構えるFast Search & Transfer。ノルウェーの技術系大学では就職先としての人気度も高く、Microsoft、大手石油会社のStatoilに次いで3位だという。関連情報
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