IBMは、グリッド用ソフトウェア「Globus Toolkit」を同社製Linux/UNIXサーバで利用可能にするため、新興企業Univaと提携した。
米国時間10月3日に発表された今回の合意により、Univaは、商用バージョンの「Globus Toolkit」をIBMに提供する。Globus Toolkitは、グリッドアプリケーションを構築するためのオープンソースソフトウェアである。同ソフトウェアを使うことで、開発者は、グリッドと呼ばれる複数のマシンに演算処理を振り分けるためのソフトウェアを記述できる。
Univaは、商用版Globus Toolkitの開発と、関連するサポートサービスの提供を目的に、グリッドコンピューティング推進者らが2004年に設立した。
オープンソースライセンスで提供されるGlobus Toolkitは、IBMも参加する団体Globus Allianceによって開発された。Globusソフトウェアは、グリッドアプリケーションの開発や稼働に向けた技術的なブループリントを詳細に描き出す。また同ソフトウェアでは、各種のWebサービスや管理標準に準拠している。
Globus Toolkitは、企業のデータセンターよりも、学術/研究機関でより一般的である。そのため、今回のIBMとの提携は、UnivaだけでなくGlobus Toolkitにも一定の評価を与えたことを意味する。
IBMのグリッドコンピューティング部門バイスプレジデントKen Kingは、「われわれは、企業向けバージョンのGlobusソフトウェアをIBMプラットフォーム用に提供するため、Univaと密接に作業を進めていく。これは、IBMがRed HatやNovelと共同で作業することで、IBMプラットフォームで提供されるLinuxが業界最先端であることを約束するのと同じである」と声明で述べた。
また提携の一環として、IBMは、自社内でもGlobus Toolkitを利用すると述べた。また、IBMは、ソフトウェア開発支援のため、Univaに技術リソースを提供する予定だ。
Globus Toolkitのようなグリッドソフトウェアを使うことで、企業や研究所は、所有するコンピュータリソースをより効果的に活用できるようになる。
企業は、グリッドソフトウェアを利用することで処理能力を「プール」し、複数のアプリケーションで共有できるようになるため、自社で利用するアプリケーションすべてに適したサーバやストレージ製品を購入する必要がなくなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ