前回取り上げたP2Pレンディングは、最も銀行らしいサービスを銀行ではない企業が手掛けるケースであったが、今回は銀行でなくても出来るのだが実に銀行らしいサービスの話。
WellsFargoの電子データ保管サービス
CBR誌によれば、米大手銀行のWellsFargoがリテール顧客向けの電子データ保管サービス “vSafe”を始めるという。顧客の重要な電子データ、例えば金融に関連するものとしてステートメント、税金、融資に関連するドキュメント、あるいは人生における重要なものとしての結婚、死亡証明など。これらを電子データとしてしっかり保管しますよというものである。つまりは、貸金庫の電子版ということである。
なぜ銀行であるか
セキュアに電子データを保管する仕組みを作れれば、このサービスを銀行が提供する必然性は必ずしも無い。P2Pレンディングよりも、よほどテクノロジー系の企業にこそ親和性がある。しかし、銀行がそれを行うことの納得感は、一日では築けない継続性と信頼性にあるだろう。