NTTデータは1月25日、金融関連のソリューションを提供するエービックの株式を同社株主から取得することで合意したことを発表した。株式譲受は2月26日。株式取得後のエービックへの出資比率は90.6%となり、代表取締役社長を含む過半数の取締役と監査役をNTTデータが派遣する予定。エービックは「NTTデータ・エービック」に社名を変更する。
エービックは、1995年設立の金融機関向けシステムを提供する独立系ソリューション企業。1998年の投資信託(投信)窓販解禁以来、金融機関の顧客向けに投信データベースやコンテンツ配信、投信関連パッケージなどのサービスを提供してきた。
2007年秋以降、金融商品取引法施行による日本版SOX法対応にあわせてエービックは、事業領域を従来の投信から保険や証券を含んだ総合金融へ拡張、商品横断的な法令順守(コンプライアンス)機能を充実させ、金融機関のリテール営業を支援するソリューションを開発、提供している。
NTTデータは、地銀共同センターをはじめとする金融機関向け共同サービスや資金証券ソリューションなど金融分野のシステム設計、構築からセンター運営までのソリューションを提供する中で、2002年に個人向けネットバンキングサービス「ANSER-WEB」と連携する投信直販支援システム「Fund Café」をエービックと共同で開発、販売している。
今回の株式取得でNTTデータは、金融機関の商品分析、リテール営業支援分野のノウハウと豊富なソリューション導入実績を有するエービックをグループに迎え、NTTデータグループの顧客基盤を拡大させ、競争力を強化するとともに、さらなる事業拡大を目指すとしている。
エービックは、クラウドコンピューティングなどの新しいシステム技術の導入と商品化、システムリスク管理ニーズへの対応など、既存サービスや商品の品質向上を図るとともに、多様化、高度化する資産運用ニーズに対応した新商品と新サービスの商品化、営業店情報系システムの機能の強化や拡張など新規ビジネス領域の開拓を目指すという。