富士通の元社長、野副州旦氏が社長辞任の取り消しを求める文書を同社に送付していたことがわかった。朝日新聞社のニュースサイト「asahi.com」が3月5日午前3時に報じ、朝日新聞も5日付の朝刊1面で報じた。同社広報IR室もZDNet Japanの電話取材に対し、文書の存在と送付された事実を認めた。対応については「検討中」という。
野副氏は社長在任中の2009年7月23日、新中期経営計画の記者会見で経営改革に強い意欲を見せていたが、2カ月後の9月25日に突然辞任した。富士通は「病気療養」のために辞任すると説明。当時の代表取締役会長、間塚道義氏は会見で病名はプライバシーにかかわるとして最後まで明かすことはなかった。
野副氏は辞任後、富士通の相談役に就任。同社広報IR室によれば「現在も相談役」の任にある。野副氏が現在も出社しているかどうかは把握していないとしているが、文書が野副氏の代理人である弁護士を通じて提出されたことを考えると、辞任後の野副氏と富士通の間で行き来はそれほどなかったことが伺える。今後、訴訟等に発展する可能性については「コメントできない」(広報IR室)としている。