NECとCA Technologiesは6月17日、アプリケーション性能管理ソフト分野での両社の協業体制を強化すると発表した。NECは国内において、2006年からCA Technologiesのアプリケーション性能管理ソフトウェア「CA Wily Introscope」の通信事業者を中心にした販売協業を開始している。今回の協業強化は、クラウドコンピューティングのアプリケーション性能監視に対するニーズの高まりを受け、これまでの両社の関係をさらに発展させたものだという。
今回の協業強化において、NECはCA Wily IntroscopeをOEM採用し、NECのシステム性能分析ソフトウェア「WebSAM Invariant Analyzer」とリアルタイムに連携させた「性能ボトルネック分析ソリューション」を新たに提供するとしている。
新ソリューションは、ウェブアプリケーションのレスポンス低下等の検知から、原因となるITインフラの特定、さらに通常はブラックボックス化されているJava EE(J2EE)アプリケーション内部の性能情報の可視化、分析、原因個所の絞り込みまでを両社製品の連携により自動化するという。具体的には、CA Wily Introscopeで収集した数万種のJ2EEアプリケーションに関する性能情報を、NECの独自分析技術によりリアルタイムに分析。平常時の挙動との違いからサイレント障害(エラーメッセージとして現れない性能劣化)を自動的に検知するという。同ソリューションの活用により、高いスキルを持たない管理者でも迅速な問題発生の発見と原因個所の絞り込みが可能となるとしている。
新ソリューションの販売はNECが担当し、国内のデータセンターや通信、金融系を中心に、大規模ミッションクリティカルシステムなどへの適用に向けて拡販を図る。海外についても、中国、台湾などから順次展開していくという。
新ソリューションの税別価格は911万7600円より。出荷開始は7月を予定している。NECでは、今後3年間で国内外で計30システムの販売を目指すという。