AT&Tは米国時間11月16日、企業が必要に応じてコンピューティング能力を拡張できるクラウドベースの新サービス「AT&T Synaptic Compute as a Service」を発表した。
同サービスは、社内で使用しているアプリケーションやデータを、IT担当者がAT&Tのクラウドを通じて保存、維持できるものだ。特に社内のデータセンターリソースに負荷がかかる場合など、必要に応じて容量と可用性を拡大することが可能だという。
1年の決まった時期に需要が集中するような企業の場合、同サービスを利用すれば、ネットワーク容量を年間を通して最大限に維持する必要がないため、経費の節減につながる。また、保存場所が社内でもAT&Tのネットワーククラウドでも、企業は必要なソフトウェアやコンテンツにシームレスにアクセスできるという。
Synaptic Compute as a Serviceは、「ユーザーのトラフィック需要に対応する上で、設備投資の過剰や不足に頭を悩ませるIT担当幹部に、必要性の高い選択肢を提供するものだ」と、AT&T Business Solutionsの戦略およびアプリケーションサービス担当シニアバイスプレジデント、Roman Pacewicz氏は声明の中で述べている。
AT&Tは、年内に同サービスを開始する予定だ。さしあたっては、米国のみでの提供になるという。
クラウドコンピューティングは法人顧客の間で人気が高まっているが、セキュリティと信頼性の両面で懸念が存在する。これについてAT&Tは、同サービスではクラウドの上にセキュリティを構築することで、セキュリティの完全統合を実現していると述べている。また信頼性に関しても、これまでにデータセンター事業やホスティングおよびネットワーク事業を通じて培ってきた実績に自信をのぞかせている。
業界がこぞって取り組んでいるクラウドコンピューティングだが、AT&Tも2008年以降、同分野への注力を深め、自社顧客向けにサービスを提供している。2009年5月には、「Synaptic Services」の第1弾となるサービス「Synaptic Storage as a Service」を発表した。同サービスは、顧客がAT&Tのクラウドにあるデータに必要なだけアクセスでき、使用した容量の分だけ料金を支払うというものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ