ルクセンブルグに拠点を置くVoIP大手のSkypeは、サードパーティのウェブサイトやインターネットアプリケーションを、自社のインスタントメッセージング(IM)サービスの利用者と結びつけるための開発ツールを公開した。
同社は米国時間8月24日、「SkypeWeb」および「SkypeNet」という開発者向けツールを公開した。これによって、「Skype Instant Messaging(Skype IM)」を自分たちのアプリケーションに組み込みたいと考えている開発者に、そのプラットフォームが公開されたと同社はいう。
Skypeの共同設立者であるJanus Friisは、先ごろのインタビューで「Skypeでは、インターネットの中でも今まで進出していなかった分野に取り組んで行きたいと考えている」と述べている。
Skype IMは、同社に登録した人に、インターネット電話ソフトウェアとともに無償で提供される。Skypeは、自社サービスの登録者数を5100万人と述べる一方で、そのうちどれくらいの人がIMサービスを利用していると推測されるかは明かしていない。しかしながら、同社は、Skype IMが、IM分野をリードするAmerica Online(AOL)、MSN、Yahooにとって大きな脅威となり得ると述べる。AOLおよびMSNから、この件についてコメントを得ることはできなかった。
Yahooの広報担当Terrell Karlstenは、Skypeのことを、「Yahoo Messengerでわれわれが競合からシェアを奪い続けてきたIM市場における新規参入者」と表現する。
いずにしても、SkypeのFriisは、多くのハードウェアおよびソフトウェア企業が今後数カ月の間に、Skype IMを自社製品に組み込むことになるだろうと述べている。しかし、同氏は特定の企業名は明らかにしていない。
同氏はSkype IMの応用例として、マルチプレイヤーオンラインゲームに参加する人々が、敵を欺いたり、味方と戦略を練ったりする際にSkype IMを利用することができると述べている。また、PCのメディアプレイヤーソフトや、出会い系サイト、ブログ、「eBayのようなオークション」サイトに、インスタントメッセージング機能を組み込むことも可能であるとも述べている。
しかし、Skypeのインターネット電話機能を他社のアプリケーションに組み込むことはできない。VoIP業界における多くの競合他社と同様、Skypeはインターネットを介して無料で電話をかけることができるソフトウェアを開発している。そして、VoIPソフトウェアこそが、同社の得意分野である。
Skypeの広報担当Kelly Larabeeは、「音声は発展途上の技術である。われわれは、音声市場の動向を注意深く見守っており、その成熟を今後も支援していくつもりだ。われわれがIMサービスを提供するのは、そうしたニーズが存在したからだ」という。
今回の開発者用ツールは、Skypeがインターネット電話ソフトウェアを初めてリリースした日から数えて2周年という記念日の数日前にリリースされた。同社のインターネット電話ソフトウェアを使った累計通話時間は、2003年8月29日の公開以来、その累計通話時間は120億分にのぼっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ