サン・マイクロシステムズは6月22日、6月14日にオープンソースとして公開した同社のUNIX OS「Solaris」の近況を報告した。同社によれば、公開後1週間でオープンソースSolaris「OpenSolaris」を議論するメーリングリストの登録者数は5700人に達した。開発者による関心が高い証拠であるとしている。
6月14日に配布を開始したOpenSolarisは、同社のUNIX OSである「Solaris」をオープンソースとして公開したものである。ソースコードはx86系CPUとSPARCのいずれでもコンパイルが可能である。OpenSolarisプロジェクトは、Solarisの最新ソースを保持する場であり、米Sun MicrosystemsのSolaris開発者に加え、世の中の開発者がSolarisの開発に参加できる。
現状のOpenSolarisは、2005年1月にフリーOSとしてバイナリ配布を開始した最新版OSのSolaris 10のソースコードをベースとしている。今後Solarisとしてリリースするバイナリ・パッケージは、OpenSolarisのうち米Sun Microsystemsが安定稼動を保証するソースコードをコンパイルしたものとなる。
Solarisのソースコードを公開した目的は、「もっと多くの開発者が欲しかったから」(米Sun MicrosystemsのOpenSolarisエンジニアリング担当ディレクターのスティーブン・ハープスター氏)である。MPL(Mozilla Public License)を簡素化して分かりやすくしたライセンスCDDL(Common Development and Distribution License)の下、「開発者のコミュニティを形成したい」(米Sun MicrosystemsのOpenSolarisマーケティング担当マネージャのクレア・ジョルダーノ氏)。
なおSolarisの歴史は以下の通り。1992年に、BSD系列のSun OS 4.1とウインドウシステムのOpenWindowsなど周辺ソフトのパッケージをSolaris 1と命名。直後にSVR4系列のSun OS 5からSolarisブランドをOSのブランドとして確立、Solaris 2として出荷し、Sun OSと呼ぶ製品名称を使わなくなった。1999年のSolaris 8から、開発用途と学術用途に限ってバイナリを無償で使用できるFree Solaris Binary License Programを実施。同プログラムは今回のOpenSolarisの登場によって消滅した。