Sun Microsystemsは米国時間4日、OpenSolarisオペレーティングシステム(OS)プロジェクトを統括する新たな顧問理事会のメンバーを発表したが、このなかには成功を収めているオープンソースのソフトウェアプロジェクト、Apacheの生みの親の名前も含まれている。
今回、OpenSolaris Community Advisory Boardの5人のメンバーのひとりに選ばれたのは、Roy Fielding。同氏は、現在大半のウェブサイトで稼働しているApacheソフトウェアの開発に力を貸した実績を持つ人物で、現在はDay Softwareのチーフサイエンティストを務めている。同氏が創設に一役買ったApache Software Foundationでは、現在この他にもいつくかのサーバソフトウェア開発プロジェクトを進めている。
同理事会の新メンバーのうち、Sunの人間は、SolarisセキュリティプログラマであるCaspar Dikと、SunのチーフテクノロジーエバンジェリストであるSimon Phippsだけだが、これは同社が従来から自社の人間は少数派にとどめると約束していたため。なお、残りの2人は、Logical Approach EngineeringのコンサルタントであるAl Hopperと、1200ページに渡る「Solaris Systems Programming」の著者でSolarisコンサルタントのRich Teerとなっている。
同理事会の最初の作業は、Sun以外のプログラマでも、OpenSolarisプロジェクトに参加できるようにする運営の仕組みを作り上げることになる。
Sunでは、OpenSolarisを、Linuxや他のオープンソースソフトウェアに十分対抗できるプロジェクトにしたいと考えているが、そのためには外部開発者集めが重要な鍵を握ることになる。収益の大部分をハードウェア販売に頼っているSunでは、自社ソフトウェアの利用促進を図っている。
「われわれが最も避けたいのは、スポンサー付きのオープンソースプロジェクトすべてに共通する問題--つまり、簡単にいうと、もともとのスポンサーの影響が強すぎて失敗に終わることだ」と、Fieldingは報道陣との電話会議のなかで述べた。Sunでは、顧問理事会を設立することで、「OpenSolarisグループが独立した機関として、Sun社内の動きとは関係なく行動する必要があることを認めた」(Fielding)
ただし、これは同理事会が無党派であると言うことではない。
「はるか昔からSolarisを使っているように思える。Solarisエバンジェリストとしての最高の夢が実現した」とTeerは語った。
「15年間以上にわたって、Sunの大ファンだ」とHopperは付け加えた。
委員会は米国時間4日、最初の会合を行った。
Sunは1月に、Solarisソースコードの一部を初めて公開した。この時リリースされたのはDTraceという最適化およびデバッグ用ツールで、また残りは6月の終わりまでに公開予定であるとTom Goguen(オペレーティングシステムマーケティング担当ディレクター)は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ