Sun Microsystemsが「Solaris」オペレーティングシステム(OS)の2つの主要機能のリリースを延期した。これらは、ユーザーのSolarisへの乗換えが進むとして、Sunが大々的にアピールしてきたものだった。
Sunは2005年1月、新機能を複数搭載したUnix系OS「Solaris 10」を発表した。しかし、これに2つの機能が追加されるのは2006年になりそうだ。予定されている機能のうち1つは「Zettabyte File System(ZFS)」と呼ばれる機能で、データストレージの信頼性やパフォーマンス、容量などを向上させるという。もう1つが「Janus」のコードネームを持つ「Linux Application Environment」で、こちらはLinux用ソフトウェアをそのままSolaris上で稼働させられるようにする機能だ。
Sunのオペレーティングプラットフォーム部門バイスプレジデントGlenn Weinbergは米国時間12日、オンラインで行われた座談会に参加し、「これらの機能を今すぐに特別アップデートという形で提供する予定はない。Sunは、これらを2006年にリリースしようと考えている」と述べた。
2004年11月、SunはSolaris 10第1版の発表と同時か、あるいはその直後にJanusをリリースすると話していた。また、ZFSも2005年後半には提供が開始されるはずだった。
正式リリースは延期されたものの、ユーザーは間もなくこれらの技術のベータ版を利用できるようになると、SolarisマーケティングマネージャChris Ratcliffeは、前述のオンライン座談会で明らかにしている。
Ratcliffeは、ZFSのベータ版は現在テスト中で、2005年末までには「Solaris Express」プログラムを通して入手可能になると話している。またJanusに関しては、「近々、SolarisのLinux Application Environment機能のテクノロジープレビュー版をリリースする。これにより、ユーザーのフィードバックを得て、複雑な問題に対する最良のアプローチを模索したい」とした。
Sunは、Linuxおよび他のUnix製品に対するSolarisの技術的な優位性を保ち、勢いを盛り返そうとしている。そのなかで、この2つの新機能はこの取り組みにおいて重要な意味を持っている。Sunはまた、6月末までにオープンソース版Solarisを公開する予定だ。これは当初の目標から半年遅れとなる。
Sunの社長であるJonathan Schwartzらは、Red Hat Enterprise LinuxなどのLinux OSを直接稼働させる代わりに、Janusを利用するよう呼びかけている。LinuxはSolarisの強力なライバルとなったが、Sunは、JanusによってLinuxユーザーのSolarisへの乗換えが進むと期待している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ