レッドハットは10月4日、米Red Hatのワールドワイドセールス担当エグゼクティブバイスプレジデントであるAlex Pinchev氏の来日に伴い、同社のビジネス戦略や最新動向を紹介するプレス向けの説明会を開催した。
Red Hatは、2005年9月28日に2005年第2四半期の決算を発表。それによると売上高は対前年比42%増の6570万ドルで、サブスクリプションの売上高は対前年比56%増の5430万ドル。サブスクリプション契約数は、100万件を超えたという。
- 米Red HatのAlex Pinchev氏
業績が好調な理由としてPinchev氏は、「Red Hat Enterprise Linuxの発表から約3年が経過し、ほかのどのOSよりもTCO(総保有コスト)を削減でき、ほかのどのOSよりもベンダーに依存することなく独立性が高いことが理解されはじめたため。オープンな標準技術を活用することで、イノベーションを、より一層推進できる」と話している。
「2年半前に顧客を訪問したとき、多く聞かれたのは“Linuxとは何なのか?”“なぜLinuxなのか?”“リナックスと読むのか、ライナックスなのか?”という基本的な質問だった。しかし現在、そのような質問はなくなった。現在、多く聞かれるのは、“いかにより良い実装を実現できるのか?”“われわれの会社のLinux戦略は正しい方向に向いているのか?”といった内容だ」(Pinchev氏)
その質問に対するRed Hatの回答として提供されるのが、2005年2月より米国で出荷が開始されたRed Hat Enterprise Linux 4だ。
Red Hat Enterprise Linux 4は、データセンターからネットワークの先端まではもちろん、ワークステーションからデスクトップまで、キオスク端末から携帯端末までなど、エンタープライズ市場を包括的にサポートする企業向けLinuxサーバOSの最新版。Linux 2.6カーネルに対応し、360以上の機能強化がなされている。
最大の特長といえるのは、共通のコードベースで開発されていることであり、これによりプラットフォームを変更してもアプリケーションを作り直すことなく移植することができること。7種類のプラットフォームと750種類以上のハードウェア、1000以上のソフトウェア、15カ国語に対応している。
今後の計画としてPinchev氏は、「開発中のRed Hat Enterprise Linux 5では、特に仮想化とセキュリティを強化する。仮想化では、サーバ環境の仮想化を実現するXenテクノロジが搭載される」と話している。
また、マーケティング戦略としては、「Truth Happens」(真実は実現する)というメッセージを展開。“最初は無視される。次に笑われる。そして戦いを挑まれ、最後には勝つ”というインド独立運動の指導者であったMohandas Gandhi氏の言葉を引用し、Linuxも真実(勝利)に近づいていることを強調している。