このような機能が追加された理由は、ユーザーがFedoraを土台に独自のLinux製品を構築できるよう、Fedoraを基盤にしたいとRed Hatが考えているからである。Fedora 8では、Fedora固有の要素がすべて1つのオプションパッケージにまとめられているため簡単だと、プロジェクトリーダーのMax Spevack氏は述べている。
「とても簡単にFedoraからユーザー独自のディストリビューションを作れるようになる」(Spevack氏)
互いに分かち合って楽しむオープンソースソフトウェアの世界でさえも、自分のブランドに愛着を感じるユーザーはいるだろうから、再ブランド化できることは注目すべき点である。Red Hatにとっても、再ブランド化にはコミュニティー拡大の可能性といった利点がある。
Red Hatは、Novellの「openSUSE」、Canonicalの「Ubuntu」などと競い合って、プロジェクトに参加する開発者の注目を集めようとしている。一般的なLinuxユーザーよりも、Fedoraのユーザーの方が「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」を導入する可能性はずっと高い。それに、Fedoraは無料だが、RHELは有料でしか手に入らない。
Fedoraを「再設計」できることは興味深い。将来、ゲーム用、マイクロプロセッサの設計用、プログラマー用など、さまざまなFedoraベースのバリエーションが登場するだろう。
Fedoraを試す人は、ハードドライブへのインストールではなく、CDからOSを起動できるLiveCDをダウンロードできる。LiveCDはFedora 7で導入されたが、最初に導入したのはUbuntuである。
「Fedora 6が登場した1年前、われわれはLiveCDに着手していなかった。UbuntuはLiveCDに対応しており、Fedoraを葬る勢いだった」とSpevack氏は述べている。そこで、Red HatはLiveCDへの対応に着手した。Spevack氏は、USBフラッシュメモリドライブから起動するバリエーションを作成したことで、Ubuntuを追い抜いたとさえ考えているという。
「われわれに欠けている分野を認め、修正した結果、今では技術的により進歩している」とSpevack氏は述べている。