「日本はLinux開発の貢献度が低い」という認識は…
「かつて、多くのアジア諸国と同様に、日本では企業のLinux活用が進んでいたにも関わらず、Linux開発に対する貢献が充分とはいえなかった。しかし、ここ数年でその状況は変化した。日本人の開発者がLinuxコミュニティの中で占める領域は大幅に拡大し、いまやその役割を充分果たすに至っている」
世界中のLinuxカーネル開発者に購読されているニュースサイト「LWN.net(Linux Weekly News)」。10月26日に掲載された「第1回Japan Linux Symposium」(JLS2009)のレポート「A report from JLS」は、その冒頭でJonathan Corbet氏が日本のLinux開発の貢献度についてこう書いている。
Corbet氏は、LWN.netの運営者であると同時に、主たる会議でKernel Reportと題した基調講演を行っているカーネルハッカーでもある。
JLS2009は、10月21日〜23日の3日間にわたって東京で開催された。それに先立ち、年に1度、創始者であるLinus Torvalds氏をはじめとするLinuxの主要開発者が集結するLinux Kernel Summitも東京で開かれ、アジア地域で初めての開催が話題を呼んだ。
レポートでCorbet氏は、「日本の貢献状況の変化から考えても、2009年のLinux Kernel Summitが東京で行われたことには納得がいく。また、それに続いて開催されたJLS2009は、新たなLinuxの国際会議として、幸先のいいスタートを切った」とその成果を評価している。
JLS2009の初日、情報処理推進機構(IPA)との共催で行われた基調講演には、Torvalds氏やRuby開発者のまつもとゆきひろ氏の話を聴くため、1000人近くの参加者がANAインターコンチネンタルホテル東京に集まった。