セキュリティプログラムは、新たなOSへの対応を図る上で、最も困難なコードを含んでいることが多いという事実があるにもかかわらず、すでに複数の企業が、「Windows 7」向けに、攻撃者からの安全確保を目指す製品群のリリースの準備を万全に整えている。
対照的な状況として、Microsoftが、2006年11月に企業向けの「Windows Vista」リリースを行った時には、セキュリティソフトウェアの発売が間に合ったウイルス対策企業は、McAfeeの1社のみであった。
Microsoftが、Vistaにおいて、OSの基礎となるアーキテクチャに、Windows 7とは比較にならないほど劇的な変化を加えていたということを考慮するならば、それも当然のことである。
今回は、すでにMicrosoftのホームページ上で、AVG、Kaspersky、Symantecの製品群が、(Windows 7への対応製品として)紹介されている。McAfeeは、Windows 7の正式リリースまでに、同社製品の対応を完了する方針を明らかにしており、Trend Microはその翌月頃には対応製品をリリースすべく、開発に取り組んでいるところである。
MicrosoftのWindowsコミュニケーションマネージャーであるBrandon LeBlanc氏は、「これらのパートナー企業が、開発プロセスの段階で、これほど早期に対応ソリューションを提供することができているのを見られるのは、実に喜ばしい」と公式ブログに記している。
Symantecの製品管理部門シニアディレクターであるDave Cole氏は、依然として、取り組まねばならない課題が少し残ってはいるものの、Symantecが、Windows 7向けに「Norton 360」製品の評価版を提供する方針を決定したと述べている。
Cole氏は「われわれの製品が、Windows 7上で、非常に快適に動作するとの結論に至っている。われわれも把握しているバグが、いくらか存在するものの、Windows 7のプログラムに参加するように呼びかけられた時、われわれはすぐに応じて、すでに十分の効果が上がっている現状に満足を覚えている」と語った。
十分なサポートが得られることは、Microsoftにとっても重要である。Windows 7の「Action Center」は、もしウイルス対策ソフトがインストールされていないならば、ユーザーに警告する方針を採用している。その警告の表示後、Action Centerは、Windows 7に対応したセキュリティソフトウェアへのリンクを含んだ、Microsoftの公式サイト上のホームページへと、ユーザーを誘導するようになっている。
同ページ上では、Kaspersky、AVG、Nortonなどを紹介するとともに、「Microsoftは現在、Windows 7のベータ版および(最終リリースとなる)Windows 7の製品版に対応したセキュリティソフトウェアソリューションの提供を目指して、セキュリティソフトウェアのISVとも共同開発を進めているところだ」という説明が加えられている。
Windows 7のセキュリティへのアプローチを見る限り、Windows Vistaにて得られた投資を、十二分に活用しているようでもある。
おそらく最も顕著な変化は、いまやユーザーが、どれほどの頻度でシステムへの変更の認証要求を受け入れることにするのか、自由に設定できるようになったことであろう。Vistaで最も批判された特徴として、システムに加えられるさまざまな種類の変更の認証をユーザーに要求する、User Account Control(UAC)の煩わしさが挙げられていた。
Microsoftは、Vistaのセキュリティに関しては、新機能の導入およびテストの両面で、かなりの投資を行ってきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ